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    猫ドラゴン

    猫ドラゴンです。果たしてポイピクを使いこなせるのか。

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    POIPOI 9

    猫ドラゴン

    DONEポイピクに小説投稿機能があると聞いたのでお試し。💚と❤️が死体を捨てにいく話です。よくわからんからよくわからんで読んでね。
    ちょっといつもと違う夜 電車が止まった。まばらに降りていく人達と一緒にトードは駅から外に出て、視線を上げる。夜の空は薄明るく曇っており、星はおろか月でさえ見えない。電灯の灯りがなければ周りを見渡せないであろう空模様に彼はなんだかよくない予感がするな、と思いつつ家へと足を急がせる。先に帰っているであろうトードの同居人はいつも突拍子もない事を言い出したり、実際に行動に移したりするので、あまり一人で家に置いておきたくはないのだ。何というか今日も何かとんでもない事をしている予感がする。窓から光の漏れている家、住民がすっかり眠ってしまったのかしっかりとカーテンを閉め切っている家。もう見慣れた町の風景がこの日のトードにはやけに印象意的に写った。もう家が近い。より早足で歩き出したトードは違和感を覚え、すぐにその正体を知った。家の前に誰かが立っている。そして、玄関の扉が薄く開きそこから零れ落ちる明かりが地面をなめながらそこに転がる何かをほんのりと照らしていた。目を凝らせば、それは人の様で。トードはもしや奴に限ってありえない気はするが、友人の身になにかがあって、と言うよりかそこに立つ何者かに危害を加えられて地に付しているのではないか、といった恐れが頭をよぎり、もしそうであれば自身の私物が危ないかもしれない、と急いで走り出す。と、足音を立てすぎたのか人影が振り向く。しかしそれは、彼らにとって幸運な失敗だったと言えるだろう。
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