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    oimo91567124

    ヒ腐マイ中心

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    簓空全体 弱り簓さんと盧笙センセ

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    #ヒ腐マイ
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    蕭条


    人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならないのです。

    (ー『竹青』より  太宰治)



    酷く揺さぶり、欲の象徴たる怒張で力一杯貫き壊しても、失われた執着を取り戻そうとしてもどこか宙へ視線を揺蕩わせ「別れたい」と繰り返す恋人を抱く夢をみて飛び起きたのはマフラーを外しているのだろう轟音を立てるバイクの音が遠くで鳴る外が夜の深みを極め人間の気配が薄らいでいる丑三時であった。
    汗でTシャツが張り付き気持ち悪く、ドクドクと忙しなく鼓動が警鐘を鳴らすかのよう不快なリズムで体の内側から身体を叩かれる。
    息は浅く、吸っているのに肺まで満たらないような気がして回数は増えるばかり。

    …あぁ、またか。

    簓には昔から自分にもどうにもできない悪癖があった。他人に執着を覚える度、感情が大きくなる度、愛を捧ぐほど、同じだけソレを手放したくなり諦めたくなるのである。
    根底にあるのはついぞ、手中に出来なかった家族の団欒や無条件の愛の存在、成長途上で親から送られ教えられるその安堵感を与えられなかった事の傷がケロイドになりもう治せないのである。
    この悪癖を自覚したのは相方との離別の際。嫌だ嫌だと喚きつつ、異変を察せなかった自分を責め立てる内心、どこか、確かに…ー

    自覚とは感情を抑制する始まりであり、また遠くない将来リミッターが外れガタが来ることを暗示している事は濃度の濃い人生を歩んできた経験から痛いほど理解をしている簓は夢現が見せた自分の深層心理とやらに冷や汗が背中をなぞって落ちる感触に鳥肌を立てながら落胆していた。

    「ほんで、こんな時間に電話かけてきたんかお前は」

    じっとり上下の衣服を蝕む汗の感触と嫌な夢を見た後特有のパニックに、明日もロケがあると言うのに再度一人で眠る事は出来ず、シャワーを浴び直しテレビを小さな音でつけながら携帯電話と睨めっこをして、きっともう朝の御勤めをはじめているだろう歳下の恋人にはどうしてもかけられず、結局は元相方で自分の悪癖をよく知る盧笙への電話番にコールをかけたのであった。

    「おん…すまんすまんー…夢見悪くて起きてしもてなぁ?というか俺がこんな事言うのもアレやけど寝てへんねやなぁ盧笙」

    「冬休み明けたからな、やる事いっぱいあんねん。俺も眠気飛ばしたいで簓がペラペラ喋っとんのを聞いとるだけやったらええで」

    「ホンマ?アリとガとチョウがお礼。アリガチョウってなぁ…ぷーっくすくすくす」

    「しょーもないなぁお前は」

    ぷすぷすと笑いつつ、急な電話でもコチラが見た悪夢の内容も聞き出すわけでもなく落ち着かせるよういつも通りのくだらない軽口の応酬に救われる心地で少しふわふわ浮ついていた心が地面に着地するような感覚を取り戻せたと小さく吐いた息は、焦燥感でエアコンもつけてなかったら室内で白い息となったので流石に寒すぎて風邪をひくと暖房を片手間つける。

    「…なぁなぁ、盧笙。こういう時、甘えるんは普通恋人なんかなぁ。俺は恋人がもしも不安を覚えることがあるなら自分に頼ってほしいって思ってるけど、自分は結局盧笙の方に話してまう」

    「なんや藪から棒に。…そんなん関係次第やろ。恋人関係にこうであれなんていうテンプレなんてあってたまるか。お前んとこは歳も離れとるし、お前カッコつけやからなぁ…ええんちゃう?浮気しとるわけでもない」

    それでも、もしも空却が、不安を覚えててそれを自分でなくディビジョンメンバーのあの二人にしか相談してなかったなんて聞いたら自分は寂しい。でも自分はできない。
    これは悪い事である気がして堪らなかった。
    こんな漠然とした不安を覚えるとたまかとと言われれば完全にNOであるのだが。

    そんな思考すら理解しているかのように欲しい言葉を返してくれる盧笙の声はどこか楽しげであった。

    「一丁前に不安になんねやな、お前でも」

    「どーゆ意味やねん。簓さんは繊細なんやでー?」

    「繊細なやつは元相方の家の合鍵量産せんわボケ」

    軽口の応酬で心が整うのを待つようにダラダラと流れる時間が心地いい。
    教育現場で働く盧笙は子供の成長過程や発達課題などを履修し常日頃から学生理解のために勉強をしてきた。そしてそこで学んだ中にあった事柄で簓の問題の根底の原因に心当たりがあった。

    「お前のそれはきっと子供ン頃のお前が駄々こねとんのやろなぁ」

    ー加筆中
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    PROGRESS簓空全体 弱り簓さんと盧笙センセ蕭条


    人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならないのです。

    (ー『竹青』より  太宰治)



    酷く揺さぶり、欲の象徴たる怒張で力一杯貫き壊しても、失われた執着を取り戻そうとしてもどこか宙へ視線を揺蕩わせ「別れたい」と繰り返す恋人を抱く夢をみて飛び起きたのはマフラーを外しているのだろう轟音を立てるバイクの音が遠くで鳴る外が夜の深みを極め人間の気配が薄らいでいる丑三時であった。
    汗でTシャツが張り付き気持ち悪く、ドクドクと忙しなく鼓動が警鐘を鳴らすかのよう不快なリズムで体の内側から身体を叩かれる。
    息は浅く、吸っているのに肺まで満たらないような気がして回数は増えるばかり。

    …あぁ、またか。

    簓には昔から自分にもどうにもできない悪癖があった。他人に執着を覚える度、感情が大きくなる度、愛を捧ぐほど、同じだけソレを手放したくなり諦めたくなるのである。
    根底にあるのはついぞ、手中に出来なかった家族の団欒や無条件の愛の存在、成長途上で親から送られ教えられるその安堵感を与えられなかった事の傷がケロイドになりもう治せないのである。
    この悪癖を自覚したのは相方との離別の際。嫌だ嫌だと喚き 1807

    oimo91567124

    DONE簓空 オメガバース 巣作り「今すぐ脱げ、パンツも含めて全部脱いでここに置いとけ。外堀が少し足りねぇんだよ」

    開口一番、長らくの収録続きで久々に我が家へと帰ってきた簓を玄関で待っていた空却からのお迎えの言葉である。壮健な空却の発情周期はまさにキッチリと二ヶ月に一度、中旬あたりに必ず来る。それも番となり抑制剤や過剰発情によるフェロモン分泌の不安定さが無くなって久しい伴侶の発情期が来ていることも予測していた簓は持っていた鞄を玄関に置き顔をあげ、自分の服を追い剥ごうとする姿を見上げた。
    その白絹のような緻密なキメをもつ肌を紅く、まるで開花したてのピンクダリアのような色へと薄らと染め上げた空却が儚げな容貌とは真反対の高圧的かつ目的のものが不足していたという枯渇からの苛つきを隠そうともせずに黄金の瞳を気怠さと欲と焦りで揺らがせながら強引な追い剥ぎを告げてきているのは何度見ても一般的には可愛げがないのであろうが、簓の目には可愛く愛おしく思うのは番いになる前から変わらず、眉を下げ自分自身でなく衣服を要求する番に軽口を一つ戯れに返し靴の紐を解く。




    「本物がおんのに皮(ガワ)だけ欲しがりよって…久々に会うたんやで簓さんの 2314

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     いち兄から貰ったハンカチを無事見つけ出し、安堵からかうえええと一層泣き始める五虎退に、鶴丸は少し呆れたような顔をして、「見つかったんだから泣くこたないだろう」と呟く。そしてその白い袂に片手を突っ込み、何かを探し始めた。
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    Happy New Year一次創作「white memories」のお正月。
    世界観の事情から本編ではお正月ネタはできそうにないので、もしも○○があったら……的なやつです。
    本編は支部や個人サイトに公開してます。

    【簡単な人物紹介】
    ティジ:レリアンという国の王子。好奇心旺盛。
    ルイ:ティジの幼なじみ。ティジのことが好き(ティジはそのことを知らない)
    クルベス:ルイの伯父。城住み込みの医者。
    ジャルア:ティジの父。国王。
    【white memories】お正月「その格好、どうしたんだ?」
    「『着物』って言って東の国の伝統装束なんだって。父さんが外交の時にもらったから着てみろって言ってたんだ」

    ルイの問いかけにティジはその場でくるりと回って答える。因みにここは城に住み込みで働いている医者(ルイの伯父でもある)クルベスの私室だ。部屋の主は席を外している。

    「どうかな?」
    「……うん、まぁ良いと思う」
    首を傾げて感想を求めるその姿に顔を背ける。

    ティジが纏うのは黒の着物に灰色の袴。
    白い髪に赤い瞳という人目を引く容姿には少々コントラストがキツく映ってしまうが、ティジに惚れてしまっているルイには些細なことでしかない。

    「やっぱり、俺には似合ってなかった……かな」
    ルイが顔を反らしたのを、見るにたえなかったかと思いシュン……と肩を落とす。
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