Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    As4Ln

    @As4Ln

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    As4Ln

    ☆quiet follow

    オスブラのお盆たいへん短い
    君たち両想い

    ##オスブラ

    お盆「ブラッドさま、これは何でしょうか?」
    リトルトーキョーにある商店の店先にある置物を指してオスカーは言う。
    パトロールの後にブラッドはオスカーを食事に行き、帰りに2人で歩いてタワーへ戻る途中の出来事だった。
    「これは精霊馬というものだ。日本のこの時期に家に飾る風習がある」
    「変わった形ですが何か意味があるものでしょうか?」
    不思議そうな面持ちだ。ブラッドも実物を目にするのは初めてである。
    「あちらの夏のある期間では先祖の霊がこの置物を先祖が乗るのりものにたとえて飾っているそうだ。お前が見ている胡瓜に支えがあるものは早馬に見立てているものだな。あの世からこの世へなるべく早く家に帰ってこれるように。こちらの茄子は出来るだけ現世に長く滞在できるようゆっくり帰り歩む牛のように、其々願いを込めて飾られるものだ」
    オスカーはブラッドの話に興味深く耳を傾ける。
    そのまま商店を過ぎ歩き続けようと足を踏み出すと、隣にいたオスカーは一歩後ろで少し考え込んでいる様子だった。
    「オスカー、どうした?」
    「…もし俺が死んだら」
    オスカーが立ち止まった場所は街頭の真下。夜の闇も深い中意図せずその空間に彼だけが明るく照らされブラッドとは切り離されたように映った。
    伏せ気味だった目を真っ直ぐブラッドに向ける。
    「俺の脚ならこの馬よりも速くブラッドさまの元へ行って、日が変わる寸前まで一緒に居ます。牛が歩く時間の分長くブラッドさまと一緒に居られます」
    「…そんな縁起でもないことを言うな」
    オスカーはブラッドの言葉にハッとしすぐさま謝罪する。

    殉職の話をしているのではない。俺より先に手の届かない場所に行かないで欲しいだけ。
    ブラッドは無言で彼の手を引き、光の外へと連れ出していった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💯💯💯💯💯💯💯💯💯💯🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    As4Ln

    DONEオスブラ ワンドロお題「雨」
    #ob1d1w


    もう忘れかけていた出来事があった。
    路上でその日暮らしをしていた時のことだ。廃棄された食品を投棄ステーションから漁り、生きる意味も見いだせないでいたが死ぬ理由も特にない。ただ食べられるものを見つけては寒さを凌ぐだけの毎日を送っていた。
    だが雨の日だけはそうもいかなかった。
    雨に濡れた身体は一層冷えて酷い時は身体のあちこちが悲鳴をあげる。誰が助けてくれるでもなくもがいて苦しむ様は幼いながらにもその姿はさぞ惨めに人の目に映るだろう。
    街では時々ヒーローの姿を目にする。
    この街に資源をもたらすサブスタンスの回収とその資源の根源を奪い合う者達から市民を守るために活動している、というのをどこかで聞いたことがある。
    生まれた時から家はおろか家族もいない彼にとってはどことなく遠い話のように聞こえた。
    その時の暮らしを嫌だと思ったことはない。最初からそうだったのだから。

    その生活にとてもささやかな出来事があった。
    いつも住処の一つとしていた路地に一枚のポスターが貼られていた。昨日までなかったので今日新しく貼られたものだ。
    どうやらヒーローのポスターらしい。右下にサインをあしらった印刷がされてい 904