WL🌟🍨「この国も平和になったものだなぁ」
「そうだね、きみの頑張りのおかげだ」
暖かな日差しが降り注ぐ王城のバルコニーでは、二人の王が城下を眺めていた。
このスペードの国を収める騎士王、ツカサは光り輝くオレンジ色の瞳で笑う。しかし隣に立つ空の国の王、青い髪のカイトは苦笑いを浮かべていた。
カイトの視線の先には、ツカサの右腕が“あった”場所に向いていた。彼の右腕の袖は風に靡いて行き場を失いながらはためいている。
「本当に、きみは頑張っていた。空の上からずっと見ていたよ」
「おいおい、そんな顔をするな。オレはやりたいようにやっただけだ」
カイトの切々たる声にツカサは慌てて首を振る。
ツカサは勇敢な騎士王であった。彼は魔力を宿した杖を用いて自分の国を、仲間の国を守るために戦い続けた。それは、片腕を失っても尚。
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