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    blizzardFRG

    @blizzardFRG

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    WL🌟🍨「この国も平和になったものだなぁ」
    「そうだね、きみの頑張りのおかげだ」
     暖かな日差しが降り注ぐ王城のバルコニーでは、二人の王が城下を眺めていた。
     このスペードの国を収める騎士王、ツカサは光り輝くオレンジ色の瞳で笑う。しかし隣に立つ空の国の王、青い髪のカイトは苦笑いを浮かべていた。
     カイトの視線の先には、ツカサの右腕が“あった”場所に向いていた。彼の右腕の袖は風に靡いて行き場を失いながらはためいている。
    「本当に、きみは頑張っていた。空の上からずっと見ていたよ」
    「おいおい、そんな顔をするな。オレはやりたいようにやっただけだ」
     カイトの切々たる声にツカサは慌てて首を振る。
     ツカサは勇敢な騎士王であった。彼は魔力を宿した杖を用いて自分の国を、仲間の国を守るために戦い続けた。それは、片腕を失っても尚。
    「腕一本惜しくない、と言えば嘘になるが。この平和が保たれるのならば悪くはないぞ」
    「うん。きみはそういう子だよね」
     カイトが収める国は全ての国の上に広がる青い空、雲の上で流浪する国だ。見守ってきたからこその負傷に、歯痒さを感じているのだろう。
    「今はな、ルイが張り切って義手を作ると言っているんだ。……変な機能がつけられなければいいが……」
     クラブの国の開発王の名前をあげながらツカサが頭を抱えていると、その耳に冷たい手が伸びた。
    「カイト?」
    「じゃあ、これは僕から」
     ツカサの耳に触れたカイトは、自分の右耳から下がっていたイヤリングをツカサに嵌めた。ぷらぷらと揺れて耳朶を引っ張るイヤリングは妙な感覚がする。
    「これからのきみの無事を祈って。万が一の時は、今度こそきみを助けられるように」
    「これは……。その、……ありがとう」
    「うん」
     カイトの優しい声に照れてしまって微妙な返事を返してしまうと、どうやら彼も照れているらしい。ふわふわと照れ笑いを浮かべる二人の間には、それでも心地良い風が吹いていた。
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