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    yuzenchiyo5

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    yuzenchiyo5

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    エスデュ
    卒業後同棲してるやつ


    エは多分ひm

    ##エスデュ

    音をなるべく立てないよう、慎重に歩みを進める。御近所さんとのトラブルも避けたいが、何より、同居人を起こしてしまわないように。
    けれど、ようやく辿り着いた部屋の扉を開いたら、まだ明かりがついていた。

    「おかえり。今日はまた一段と遅かったじゃん」
    「ただいま。・・・・・・寝ててもいいんだぞ?」
    「昼寝したから眠くないんだよねー」
    「そうか。ならいいが、いやあんまりよくない気もするが」

    リビングのソファで寛いでいたエースはおもむろに立ち上がって、キッチンに向かった。
    先程まで見ていたのだろうスマホは無造作に机に置かれ、ロック画面に表示されている時刻はとっくに日付が変わっている事を示している。

    順調に出世するにつれて帰りが遅くなっていくデュースを、エースは毎日必ず寝ずに出迎え、朝も必ず同じ時間に起きて見送っていた。
    初めの頃こそ夜更かしはよくないとデュースは咎めたが、そのうち、それを少し嬉しく感じている事に気付いてからは、あまり煩く言わなくなった。

    「夕食は?何か食った?」
    「いや、何も。でももう夜中だし軽いものがいいな・・・・・・オムライスとか」
    「いやがっつり食う気満々じゃねーか!そこはスープとかにしとけよ」
    「ははっ、冗談だ。卵スープで頼む」
    「りょーかい。パパッとやっちゃいますか」

    ソファに座り、デュースは料理ができあがるのを待つ。慣れた手つきで材料を鍋に入れていくエースの背中を眺めながら、この時間がずっと続けばいいのにな、とぼんやりと考えるのも、すっかりお決まりになっていた。










    とある週末。久し振りに、本当に久し振りに、まだ日の沈まない時間に、デュースは帰宅した。

    久し振りの早上がりに同期達は浮き足立っていて、飲みにも誘われたが、全て断った。断った時に何故か「じゃあ奥さんによろしくな」と言われたが、誰と間違えているのだろうか・・・。
    そんな事よりも、とにかく一分一秒でも早く家に帰りたかった。

    エースは驚くだろうか。まだ夕飯は済ませてないだろうか。たまには外食もいいかもしれない。けれど、エースの手料理も食べたいな。
    はやる気持ちを抑えつつスマホでメッセージを送り、帰路についた。

    鍵を開けて、扉を開く。まだ外が明るい時間だからか、灯りはついていない。明るくない玄関に帰ってきたのはいつぶりだろうかと少しだけ感慨に耽っていたが、エースの出迎えがない事に気付く。
    リビングに人の気配はない。寝ているのかと寝室を覗いてみたが、ベッドは整ったままだ。洗面所や浴室も見たが、何処にもエースの姿はなかった。

    スマホを確認する。エースからの返信はきていない。何かあったのだろうか。買い物にでも行っているだけだろうと自分に言い聞かせるが、心臓の鼓動はどんどん早くなっている。

    もしかしたら、愛想が尽きて出ていってしまったんじゃないか。

    そんな考えが一瞬脳裏を過った瞬間には、外へ探しに行こうと玄関に向かっていた。
    勢いよく扉を開ける。

    「うおっ!?」

    間一髪、扉がエースの鼻先を掠めた。

    「あっぶねぇー・・・」
    「エース!!」
    「なに、デュースもう帰っぐえっ」

    堪らず飛びついて強く抱きしめる。飛びつかれた拍子に、エースの手から買い物袋が一つ落ちた。

    「ちょちょちょ、首、首絞まるって」
    「・・・・・・出て行っちまったのかと思った」
    「買い物行ってただけだっつーの、大袈裟すぎ」
    「・・・・・・返信、なかったから」
    「あー・・・・・・」

    そう言われて、スマホに通知が来ている事に気付いてはいたが、丁度手が離せずに後回しにしてそのままだった事をエースは思い出す。

    「悪かったって」
    「・・・・・・」
    「おーい、デュースクーン?そろそろ離してほしいんですけどー?」

    そろそろ腕も限界なんだけど、と買い物袋を示すが、ますます抱き締める腕の力が強くなっていくだけで、デュースは一向に離れようとしない。

    「デュース?」
    「僕に言う事がまだあるだろ」
    「・・・・・・ぷはっ、はいはい」

    デュースの拗ねたような声音に、エースは思わず軽く吹き出しながら、肩口に乗せられた黒髪を指で優しく梳いた。

    「おかえり。デュース」
    「ただいま。エース」














    瞼越しに眩しさを感じ、目を覚ます。窓から差し込んできた日の光が、丁度顔に当たっていたようだ。スマホを手に取って時間を確認すれば、とっくに陽は登りきり、これから降り始めようというところだった。
    こんな時間まで寝たのは久しぶりかもしれないと思いながら、傍らの休日すら返上しがちな恋人を見やる。


    ──出て行っちまったのかと思った。


    「ばーか。頼まれたって離してやんねぇよ」

    夜色の髪についていた寝癖を指先で弄び、まだ暫くは開きそうにない瞼に軽く口付けをして、エースは寝室を後にした。
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    Replies from the creator

    yuzenchiyo5

    DONEまれでゅ
    転寮と書いて誘拐と読む話
    マレ様がちょっと拗らせすぎちゃってる気がする


    最初エスのターンだけで愉快な長さになってしまったので削りまくりました
    「なんで誰も起こしてくれねーんだよ!」
    「そんな物好きいないっつーの」

    エースはいつもの数倍慌ただしく朝の身支度を整えながら、とっくに支度を整え寮を後にしようとしていたルームメイトに文句をぶつけた。
    自分で設定したアラームを自分で無視して寝続けたのだから、まぁ自業自得ではある。

    「ちぇっ、いつもだったら・・・」

    空いているベッドに腰かけて靴を履きながら無意識に呟くが、その手がピタリと止まる。
    いつも寝過ごしかけた時は、誰かが起こしにきていたような気がするのだが。

    「うおっ、やべぇ!」

    今はそんな事を考えている場合ではなかった。鞄に荷物を乱雑に突っ込んで、頭の中に引っかかった疑問を振り払うように、エースは全速力で寮の廊下を駆け抜けた。





    どうにか遅刻は免れる事ができた。が、朝食は食べ損ねてしまい、空腹のせいで午前中の授業は殆ど集中できなかった(ちなみに監督生には”いつもと同じじゃない?”と言われた。納得いかねー)。

    「はぁー・・・腹減った・・・・・・」

    そんなこんなで待ちに待った昼休みだ。いつものことながら混雑している食堂で適当な顔見知りに声をかけ席を確保してもらい 8215

    yuzenchiyo5

    DONEふろでゅ
    ぴっしぶからそのまま持ってきた仲良しやつ
    オクタヴィネル寮内、モストロ・ラウンジ。
    学生が経営しているとは思えないほど上品な雰囲気が漂う店内の隅で、給仕を担当している寮生から簡単な現状報告を受けているジェイド・リーチの元へと、別の寮生が慌てた様子で駆け寄った。

    「ジェイドさん、すみません!急ぎ対処してほしいのですが」

    息を切らしながら話す寮生を一瞥し、大体の状況を察する。この寮生は先程、シフトなのに出てこないフロイドの様子を見に行くと言っていた。大方、フロイドは気分が乗らないからと寮の自室でごねているのだろう。店内はそれなりに混雑しているが、今出ている人員だけで事足りているので問題はない。さっさと別の仕事を振ってあげるとしましょうか、と店内の状況を確認しながら軽く聞き流していたら、途中で出てきた単語に少々表情を固くする。

    「それで、デュースが『力尽くでも出てもらう』って言って部屋に向かってしまいました・・・・・・」

    デュース・スペード。フロイドの”お気に入り”である彼も、今日は同じシフトであった。機嫌のあまりよくないフロイドとそれを”力尽く”で連れてこようとするデュース。なるほどたしかに、急ぎ対処しないといけないようだ 6311

    yuzenchiyo5

    DONEエスデュ
    卒業後同棲してるやつ


    エは多分ひm
    音をなるべく立てないよう、慎重に歩みを進める。御近所さんとのトラブルも避けたいが、何より、同居人を起こしてしまわないように。
    けれど、ようやく辿り着いた部屋の扉を開いたら、まだ明かりがついていた。

    「おかえり。今日はまた一段と遅かったじゃん」
    「ただいま。・・・・・・寝ててもいいんだぞ?」
    「昼寝したから眠くないんだよねー」
    「そうか。ならいいが、いやあんまりよくない気もするが」

    リビングのソファで寛いでいたエースはおもむろに立ち上がって、キッチンに向かった。
    先程まで見ていたのだろうスマホは無造作に机に置かれ、ロック画面に表示されている時刻はとっくに日付が変わっている事を示している。

    順調に出世するにつれて帰りが遅くなっていくデュースを、エースは毎日必ず寝ずに出迎え、朝も必ず同じ時間に起きて見送っていた。
    初めの頃こそ夜更かしはよくないとデュースは咎めたが、そのうち、それを少し嬉しく感じている事に気付いてからは、あまり煩く言わなくなった。

    「夕食は?何か食った?」
    「いや、何も。でももう夜中だし軽いものがいいな・・・・・・オムライスとか」
    「いやがっつり食う気満々じゃねーか! 2008