愛された呪い その青年は、少年のままの姿でそこに留まっていた。
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ミナト先生に言われて向かったのは、なんの変哲もない一軒家だった。
表札には「はたけ」と書かれている。
オレはその姓をとてもよく知っていた。と、いうよりオレより上の世代で知らない人間はそういないだろう。
はたけサクモ。
木ノ葉の白い牙という異名を持つ、凄腕の忍。全盛期はあの伝説の三忍の名ですら霞むような活躍ぶりだったらしい。
そう、だが今やそれは過去の名声だ。彼は重大な任務を失敗したのだ。実際には失敗、というより中断だったのだけれど。
当時の木ノ葉では、失敗と大差ない。寧ろ失敗するより酷い扱いを受けたらしい。尻尾を巻いて逃げたのだと里中に中傷されたと聞いている。
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