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    たまごやき@推し活

    アンぐだ♀と童話作家アンデルセンのこと考える推し活アカウント

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    カルデアアンぐだ♀

    第五真説要素環境用カルデア制服が実装されてぐだちがヘソ出しの姿になったので記念に
    後から女子会で着衣状況を指摘されてもみくちゃになる
    2021.6

    ##FGO
    ##アンぐだ
    ##カルデア時空

    牽制用特殊礼装、白衣 カルデアは極寒の地にある割に空調が整っていて適温を保っている。この気温では多少の薄着で風邪を引く心配はない。……心配はないのだが。


    「どうしたの、何か気になることでもある?」
    「お前、いつまでその格好でいるつもりなんだ。その礼装はどうあっても身を守るには向かないだろう?」


    このマスターの新しい礼装の腹は何だ。紙装甲どころか防御力ゼロ、布切れ糸屑の欠片もない。夏の水着やアロハシャツのように、カルデアで普段着代わりにするにはあまりにも無防備だ。なぜそれをここで着る。


    「大丈夫。レイシフト中でもないし、そんなに心配ないよ!せっかくの新しい制服だからしばらく着ようと思ってるの」
    「そんな野蛮な格好でうろつく気なのか」
    「えっサーヴァントの中にはもっとすごい格好してる人たくさんいるでしょ」
    「平凡なこの時代の人間の基準で考えろ」
    「そんなこと言われても……気に入ってるのに」
    「着るならせめてこの部屋だけにしろ!部屋の外をうろつくな!」
    「せっかく新しい服なのに部屋着にするなんてやだ!」
    「……どうしてもそれを着るのか。それなら俺にも考えがある」
    「?」
    「俺の言った条件をのめるのなら部屋の外でそれを着ても構わない」
    「条件って?」



    「この部屋の外ではこれを羽織っていろ」
    くたびれた白衣を脱いで差し出す。……さすがにこんな条件を承諾するわけがない、無事に諦めるか、もしくは諦めずに不満を述べてくるか。
    さて、不満を述べられたとしても口で勝てる自信があるが、早々に諦める姿が見られたならば儲けものだ。


    「ありがとう、借りるね!」
    「は?」
    そんな返答がくるだなんて、想定外だった。大体こんな彼シャツ、もとい彼白衣のような悍ましい寒気のする格好で外に出て行くなど野蛮人どころの話じゃない。


    「このままでもそんなに寒くないし風邪ひいたりしないと思うけど、そんなに心配ならちゃんと羽織って行くから」
    「いや、待て。そういう問題ではない!」
    「条件のむなら部屋の外で着てもいいって言ったでしょ! 新しい服で女子会するの、もう行かなきゃ!」
    「あ、おい待て!」


    止める言葉も聞く耳持たず、あっという間に白衣に袖を通す。こいつが着ても、手が半分隠れるほど長い袖。ろくに出ていない手でドアを開け、さっさと扉をくぐり消えていく。
    俺が着ると地面に引きずるほどの長さの裾は、あいつが着るとギリギリ地面につかないでひらひらと波打つようにはためいていた。


    「……まったく、本当にあんなものを着て出て行くやつがあるか。」
    そもそも気温は別に低くもない。上着なんていらないだろう。それなのに風邪を引くと心配されてるなどと勘違いする。そんなものより気に病んでいるものに気がつきもしない。しかも俺がついさっきまで袖を通していたものをあっさり着て行ってしまった。

    無防備なのは格好だけで済ませてくれ。あんな格好で出て行かれては恥を晒すのは彼女ではなく俺の方だ。それなのに部屋を出て行った彼女を止めることもせずにのんびりとこの部屋で本のページを進めているのも、自分のことながらどうかしている。それでも自分が恥を晒すより、彼女が無防備に晒されている方がいくらか問題だ。


    「カルデアのサーヴァントが女だけではないと分かっているのか、あの馬鹿」
    きっと分かっていないのだろう。この部屋の外では着るなと言った理由も、白衣で覆ったその理由も。今、それを着た自分が側から見ればどのような状況なのかも。姦しい女達に囲まれてそれを指摘される彼女の顔が苦労もなく想像できる。その指摘が後から自分にも飛んでくるだろうことまで考えてから頭が痛くなってくる。
    ……頭痛のせいで熱が出たかもしれない。熱くなる顔面の理由など不調のせいだ。愛用の枕を抱え込んでさっさと眠りにつくに限る。
    赤い顔をした彼女が帰ってくるころには、余計な怒りをぶつけられないよう熟睡していたいものだ。浮ついた頭でそう思いながら眠りに落ちていった。
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