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    たまごやき@推し活

    アンぐだ♀と童話作家アンデルセンのこと考える推し活アカウント

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    カルデアアンぐだ♀

    2023.3

    ##FGO
    ##アンぐだ
    ##カルデア時空

    野外ステージ圏外 カルデアのマスターを特異点から無事に帰すためにスタッフは全力でサポートをしている。何かとみんなで気にかけてはマスターの部屋に差し入れを届けに行くことも多い。
     みんなの妹、あるいは娘のような。
     とにかくスタッフ一同でマスターを応援している、それが1番近い状況だろう。

     そのマスターが、恋をしている。
     年頃の可愛らしいマスターに対して余計なお世話と思いながらも応援してしまうのだ。
     ――たとえ相手がサーヴァントで、脈もなさそうだとしても。

     広いカルデア内の通路は多数のサーヴァントが移動している。食堂に向かう通路やマスターの部屋に近い通路は人通りも多い。
     賑わう場所から少し外れたカルデアの通路に、人影。見慣れたマスターの姿に声をかけようかと近づいて、彼女が一人ではないことに気がつく。
     マスターの後ろ姿。向かい側にはサーヴァントがひとり。
     普段であれば近づいて会話に混ざっただろう。けれど彼女が話しているサーヴァントの姿を確認して、今日はこっそりとやや離れたところで立ち止まる。
     会話に混ざったところで気のいい彼女のことだ、嫌な顔はしないだろう。けれどせっかくの休憩時間に好きなひとと二人きりでお喋りする時間を奪うなんてもったいない。
     ……できるならほんの少し、彼女が精一杯のアピールをしているところを見守りたい、なんて保護者面して思っている。

     おい、そこのサーヴァント! うちのマスターを幸せにできるのか!? なんて、ただの妄想なのだけど。

    「それでね、今度料理を教えてくれるって」
    「食堂の奴ら総出で料理教室か? あれもこれもと作りすぎるなよ。元々サーヴァントには食事は不要だ。まぁ娯楽のひとつではあるがな」
    「娯楽も重要でしょ? ……アンデルセンは何か食べたい物ない?」
     あくまで日常会話。話のついでに、とばかりにささやかな質問。けれど彼女の声色だけで「ついで」と思えない熱量。
     つまり――好きなひとの好きな食べ物が知りたい……なんともいじらしい我らがマスターのアピール。
    「結構だ。現状カルデアの福利厚生に不満はない。マシュにでも聞いてやれ」
     とりつく島もない。彼女の手料理には興味もないとばかり。
    (脈なしにしてももうちょっとさぁ……!)
     マスターの恋路を応援する者としてはもう一声、と言いたいところ。いや、変に気を持たせる男が相手ではないのは逆に良いのかもしれないけれど! 
     あまりの塩対応にマスターは落ち込んでいないだろうか?

    「……じゃあ、料理教室とは別で何か作るから」
    (!)
     相当な塩対応を受けてすぐにこのアピールが出るのはすごい。へこたれないマスターの一途な気持ちに少しはぐらつくのではないだろうか? 聞き耳を立てるのはよくない、そう思っていてもこうなると期待してしまう。
     ところが返ってきた反応は長い長いため息だけどきたものだから、さすがの脈のなさにがっかりするほどで――

    「こんな野外で晒されながらする話ではないな。まったくどこもかしこも、廊下ですらプライバシーが保護されないとは嘆かわしい。……部屋に戻るぞ、立香」
    「えっ?」
     瞬きの間、さっと彼女の手を絡め取って白衣を翻すサーヴァント。マスターはこちらに気がつくタイミングもなく、背を向けて去っていく。
     振り返ったサーヴァントは彼女に気づかれないようにさりげなく後ろを振り返り口を開く。

    「よ け い な お せ わ だ」
     読唇術など使えないのだけど、多分口はそのように動いていた。

     おい、そこのサーヴァント! うちのマスターを幸せにできるのか!? ……無駄な質問だったらしい。サーヴァントに手を引かれて廊下を歩くマスターの、なんとまぁ幸せそうなことといったら。
     そう思いながらすごすごその場を離れる。
     夜食のカップ麺も欲しい頃合、彼らの後ろ姿はサーヴァントの個室の方へ消えていく。
     
     マスター、君の好きなひととやらは結構独占力が強いみたいだ。

     やれやれとため息をついたものの、認識は改めなければならないだろう。
     ……彼女の恋の脈について。
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