私の知らぬ彼 「かっ、……わいい!」
思わずそう声を漏らしたティファリアにそうでしょう、そうでしょうとザフォラの側近が満足気に頷く。
クルトラに来て、ザフォラの側近がティファリアを案内をしたのはザフォラの家でも、仕事場でもなくザフォラの幼い頃の写真が閉じられた数多くのアルバムが貯蔵されている書庫だった。
「ザフォラもこんなにあどけない時期があったのね…」
「今でこそザフォラ様は顔つきは鋭く、口も悪いですが幼い頃はそれはもう真面目で素直な子でしたから。そしてお父上をとても尊敬していました」
ザフォラの話でもよく出てくる父親、彼に会ってみたかったと思わないではないが写真として残る幼いザフォラと父親の笑顔が収められた姿に関係は良好で合ったことが伺える。
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