クルトラの民は知っている きょろきょろと辺りを見回してばかりのティファリアがおかしくて思わずザフォラは笑みをこぼす。
「も、もう!笑わないでよ!」
「お前が落ち着きないのが悪いんだろ」
「だって、旅の最中に滞在したのと実際に住み始めるのとじゃ印象が全然違うし…こんなにまだ知らないハーブを使った料理のお店があるなんて知らなかったわ!それに…ザフォラとこんな風にデート出来るんだってことも思ってなかった」
そう言って嬉しさを隠せないティファリアはにこにこと笑う。
「…喜びすぎだろ」
「だってザフォラってば滅多に休みが取れないじゃない。デートらしいデートは付き合ってからこれがはじめてだし…だから、すごく嬉しいの」
外でそんな殺し文句を言うティファリアに深くザフォラはため息を吐く。
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