お前が幸せになるその日は近い 「あーあ、またこんなとこで寝ちまって…」
はあ、とラディはため息を吐くと机に突っ伏したまま寝てしまっているティファリアに手を伸ばす――がそれを止めたのはイーオンの腕だった。
「…ラディとティファリアは家族でこういうことも何度かあったのかもしれないが…だが、その、今は自分が彼女の、ティファリアの恋人だ。だから、その役目は自分に任せてはもらえないだろうか……」
そんなイーオンの言葉に一瞬面食らった顔をしたラディだったがそのあとふっと笑みを浮かべる。
「分かったよ、悪かったな。いつもの癖でついな」
「……いつもの癖、か。それは、仕方がないな」
「ああ、そうだ。だから許してくれ、今後はイーオンがいる時は任せるようにすっからよ」
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