彼にナガレを任せる
のは不安だったけれど
どうやら正解
だったみたいだ
これから彼女は
少しずつ変わって
いくのだろう
最初の頃は別人の
ような変貌ぶりに
驚いていたっけ
そのきっかけが
彼だったという事実に、
一抹の寂しさを覚えた
仲の良いふたりを
見るたびに
彼女の隣に
いるのが私なら
と考えてしまう
これは、彼への嫌悪?
それとも嫉妬?
私にはそう思う
資格がないのに……
彼女は私を相棒だと
言ってくれたけど
塞ぎ込んでいる時の
ナガレは決して
目を合わせてくれない
私がそうさせて
しまった
暴力への恐怖で
疑心暗鬼に陥った
彼女の前で
沙明を殺して
しまった
ルゥアンで沙明を
助けたことに
後悔じみた感情を
覚えるたび
同時に罪悪感が
押し寄せる
彼がいなくては
ナガレを救けられない
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