きみのことが大好きだよ空に流れた星に、そっと願いを込めた。
流れる星には、空にいる間に三回願い事を唱えると、願いがかなうという言い伝えもある。そんな願いを、人々はずっとずっと乞い続けている。
証明しているのだ。
願い事は、叶えたいものが重たければ 重たいほど、流れる星に追い縋ることなく、間に合わなかった願い事の言の葉は中途半端なままぼろぼろとこぼれていく。
叶わないその願い事を、日和は噛みしめるのだ。
重たい、重たいその願い事。
叶えてはいけない、願い事。
叶うわけない、願い事。
ずっとずっと、持っているしかないのだ。持っていなくてはいけないのだ。この鍵を放す事が出来る唯一の日和自身への足枷を。もう一度、しっかりと付けなおす。忘れるな、自分の咎を。捨てるな、自分の持っている罪を。何があっても、このことだけは―――。ぼくは、絶対にこの言葉を、あの子に伝えてはいけない。
2817