オーターさんに思いを告げ、見事に撃沈した俺は、校内にある庭のお気に入りの木陰で1人遠くを見つめていた。
あの人に恋愛感情なんて無い事は何となく分かっていたし、正直返事に期待はしていなかった。
でもやっぱり実際断られると結構辛いんだなと思った。
これだから恋というものは嫌いなんだ。
もうすぐ午後の授業が始まる時間だが、どうにもやる気が起きない。
重い身体を動かそうとした時だ、隣にどかりと座り込んで来たやつがいた。
「なーにしょぼくれてんだスカシピアスくんよ」
ドットだった。
こいつには色々とオーターさんの事で相談にのってもらっていた。
「授業始まんぞ」
俺はドットの顔をチラリと見て、視線を落とした。
「……ああ」
返事はしたが、身体はまだ動きそうになかった。
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