甘い贈り物「バレンタインの催事コーナーぁ?」
赤木は、木暮の予想を上回る驚きぶりを見せた。正に「素っ頓狂」と呼ぶに相応しい声を、赤木は上げた。
「ダ、ダメ…かな?」
明日は、大学のバスケ部の練習は休み。大学構内を入学試験場に使用するため、関係者以外は立ち入り禁止になるからであった。
そこで二人は、明日、何処かに出掛けようか?と相談をしていた。
「最近の百貨店のバレンタインの催事コーナーは、女の人が男の人に贈るチョコを選ぶだけじゃないんだよ。チョコがメインのあらゆるスイーツが集まっていて、スイーツのお祭りなんだ」
木暮が、熱弁を奮う。
「そ、そうなのか?」
赤木は木暮の勢いに押されて、たじたじになる。
「いや、しかし、男二人だけで行くところじゃないだろう」
2251