羽根つき「はっ!」
カンッ!
「あまい!」
カンッ!
「くっ」
なぜ……何故我は、鍾離様と羽根を打ち合うことになったのか、未だに理解出来ていなかった。
「魈」
名を呼ばれ、はっと目を覚ます。しかし、身体が動かない。何故だろうかと昨夜の出来事を思い起こす。
昨夜は鍾離様の生辰を祝う為、宴に呼ばれていた。
皆酒を飲みながら昔話に花を咲かせ、いくつもの酒瓶を開けていたように思う。我も酒を勧められた。降魔を理由に断ろうと思ったが、上機嫌の鍾離様の笑みに逆らえる訳もなく、盃を手にし少しばかり酒を嗜んだ。
途中からあまり記憶がない。頭がふわふわし始めた所で、転ぶと危ないと我を赤子扱いし始めた鍾離様の膝の上に、不敬にも座らされていた。そのまま鍾離様の胸に寄りかかり、ウトウトとしながら皆の話を聞いていたように思う。
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