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    ごゆぴす劇場、ちみご編です。
    ぴすの一人称で、しのだ(主)という夢小説みたいなトンチンカンなので、何でも許せる人向けです。
    たぶん続く。

    ごゆピスピス劇場@ちみけも編 僕の名前は、ぴす。たぶん。きっと。

     主は「ほ〜ら、ぴすぴすケーキだよ〜!」って呼ぶからぴすぴすって名前かと思ってたけど、主のお友達は「ぴすちゃんだ!」って言うし、お外で主が僕を紹介する時は「サカバンバスピスなんですよ」って言うから、全部に共通している『ぴす』が僕の名前。さかばんば…す…ぴす?
     名前はさておき、僕の本質は綿だから喋らないし何も食べない。元になったサカバンバスピスは魚らしいよ。泳ぐのが下手だったんだって! と主はよくしゃべってる。泳ぐ…?
     そんな主は、何が楽しいのかは分からないけど、いつも僕を連れて出かける。
     それで時々一緒に出かける綿がいるんだ。ぴんくの子と青い人のセット。出かけない綿もいるし、たまに綿じゃない場合もある。
     これからするのは僕が住んでる主の家の綿についてのお話。


     まず主がいつも言ってるコト。
    『ぬいは番でお迎えするのよッ!!!』
     鼻息で僕は転がった。
     ツガイっていうのは、ぴんくの子…こと「ユージくん」と、あおい人…「ごじょーさん」のセットらしい。僕も立派な綿だから僕のツガイは? って思ってたら、
    『ピスのお友達はいっぱい確保した!』
     って、僕みたいな綿がいっぱい現れてビックリした。すごいデッカいのもいた。でもツガイじゃないらしい。ツガイってのは、ずっと二人で仲良くするんだって。
     閑話休題。
     家にはぴんくの子とあおい人の綿がツガイでいっぱいある。主曰く、
    「これがクマチャン、おっきいのとちっちゃいの。親子みたいで可愛い! こっちはキョートコラボで着物! よいではないかー! こっちはたぴぬいで、包まれててふあっふあ! これはちょぴぬい…ピスとゆーじくんは同じ日にお迎えしたね。ごじょー先生は後日だったから頑張ったよ!」
     それでねそれでね、と続けていたけど、もういいや。主はぴんくの子とあおい人について話し出すと長いんだ。
     つまり何が言いたいかって言うと、ぴんくの子とあおい人はいつもセットってこと。主が言うには「シリーズが違う」らしい。確かに、犬みたいな二人もいたし、熊な二人もいたし…。
     ちなみに、たまにセットじゃない綿もいる。ただそういう時は「さ、◯◯さんのお家に行こうね」って主が箱詰めしてる。なんでも、そちらのお家にはぴんくの子が一人だとか、反対にあおい人が一人だとか…とにかく片割れしかいないらしい。
    「もう一人確保するかなぁ…あ、片方しかお持ちでないふぉろわっさんがおる!」
     主が手のひらサイズのタプタプ音がする四角い何かを触って、そんなことをブツブツ言ってるのは割と日常茶飯事だ。
     そして冒頭の『番でお迎えするのよッ!』って所に行き着く。
     モノが多い主の部屋で、それでもぴんくの子とあおい人の綿は、丁寧にクッションの上に並べられている。おっきい綿たちは、机の上だけど。晩御飯を食べながら「一人は淋しいでしょ」って主は笑う。
    「まぁねぇ〜、みーんな綿だからねぇ〜、淋しいなんて思ったりはしないと思うんだけどさ。でも私の気持ち的に五悠ちゃんはセットなのよ」
     ご飯を食べる主の横に転がって、僕はそんなぴんくの子とあおい人の綿を見ている。主は僕が他の綿とお話できることを知らないから。ツガイのゴユーちゃん達はいつも楽しそうだ。雑な主にクッション転がり落とされてもケラケラしてる。主は慌てて元の位置に戻して、「久しぶりに下まで落ちた!」「僕が本物の僕なら蒼で助けたのに!」「んっはははっ! マジ」なんてツガイのゴユーちゃんがやり取りをしてるのを、僕は知ってるんだ。

     それで。

     そんな主の家には独りぼっちのあおい人がいた。

     その人は袋に入ったまま家の入り口のところに居る。黒くて耳としっぽがあるけど、顔はあおい人だ。たぶん、若い方。
     あおい人は丸い黒メガネをかけてる若い人と、黒い布を貼り付けてる年上の人がいる。僕は若い人の綿とお話したことがあるけど、年上の人の綿とは話したことがない。年上の人とはまず接点がないし、何となくだけど、ぴんくの子以外ぜんぶどうでも良いと考えてそうだ。
     若い人の綿は、『ゆーじの傍にいてくれてありがとな』って言ってくれた。一人だと寂しがるからオマエがいてくれて良かったって。
     真っ暗なカバンの中で、ぴんくの子と僕は仲良くなった。そんなぴんくの子は寂しがりで、でもこの家にあおい人が居ることに気付いてからは、すごく元気になった。僕と居る時より沢山笑うようになった。
     良かったねって思ってたら、あおい人が「ありがとう」って言ってくれたんだ。だから僕はあおい人も大好きになった。
     そう。それでね、その若い方のあおい人が、ずーっと一人なんだ。
     主のシュギを貫くなら、ツガイじゃないとおかしい。もしかして誰かのお家に行くのかな? って思ってたけど、いつもそこにいる。主は出かける前とか帰ってきた時に、時々、その人をツンツンして、でも隣にぴんくの子は置かないし、箱詰めもしない。
     あと、たまに主の荷物がぶつかって転がり落ちるけど(直ぐに主が元の場所に戻す)、ずっと静かな人だ。このあおい人は他の綿と違ってしゃべれないのかもしれないと僕が思い始めた頃だった。帰ってきた主が、僕を鞄から出しながら、その人に話しかけたんだ。
    「ちみご〜…まだ玄関にいる?」
     主はありとあらゆる綿に話しかけるけど、本当に返事があるとは考えていなさそうだ。でも僕は聞いてしまった。
    「……ゆーじを待ってる」
     はっきりと。
     聞こえた。
     だから僕はビックリしてコロリと冷蔵庫の上から落ちた。
    「わっ!? ぴすーーー!?」
     なんでぇ? と呟きながら僕を拾い上げる主。主の手の中からあおい人を見つめる僕。また静かに玄関に佇むあおい人。でも…チラッと僕を見て「大丈夫か?」ってクスリと笑った。やっぱりしゃべった!

    「ちみけもはねぇ、高専の五と夏くんしか出てないんだよねぇ」
     あのあおい人が独りぼっちなのは、同じシリーズのぴんくの子がいないからなんだよ…と主が教えてくれて、僕はようやくあの人が一人だった理由を知った。そうだとすると、主のシュギは…? ツガイで迎えるんでしょ?
    「でもゆーじ君主人公ですし? おすし?? きっと出ると思うんだよねぇ。私の野生の勘ってやつ」
     僕の主は野生だった…? …なんて、どうでもいい疑問に気を取られた僕をヨソに主はブツブツ続けてる。
    「発売してちょっと経ってたんだけど、店頭でちみごを見かけちゃってさぁ…。どうしようか迷ったんだよ? ゆーじ君いないじゃん? でもTLに可愛いちみごが溢れててさぁ…実物見ても可愛い…とは言っても、ゆじ君居ない…って悩んでたら目があっちゃった。あは! んで、ゆーじは来るって確信してるお顔だったから、じゃあウチで待ってな〜ってお迎えしちゃったんだよねぇ。半年たっても続報ないけど……ちみゆ…来るよね…?」
     僕をムギュムギュしながら困ったように主が呟く。
    「玄関で待つような健気キャラじゃないと思ってたんだけど、室内に持ち込もうとするとポロポロ手から落ちるんだよね。わたしがポンコツなのは確かだけど。絶対ソレだけじゃない! あれはもうちみゆじが来るまで俺は玄関にいるって意思表示デショ…」
     主の言葉はほぼ間違いないと僕は思った。
     あの人は待ってるって言ってたから、来るって信じてるんだろう。
     独りで。
     玄関で。

     一番最初に「やっと会えたな」って、ぴんくの子に笑いかけるために。


    続く…?
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