1111「かーじーちゃんっ!ポッキーゲームしよっ!」
「え?! ポ、ポッキーゲームですか!? あの合コンでやる!?」
「うん。先行はどうする?」
「ちょっちょっと待ってください!ポッキーゲームってことはその、キッ、キ……、
――ってポッキーゲームって何がどうなったら勝ちなんすか?
あれってルールあるんでしたっけ?
人がやってるのは見たことあるんすけど正直ノリって感じでちゃんとした勝負になるとはとても……」
「じゃあこうしようか、順番に3秒ずつ食べ進めて途中でポッキーを離したり折ったりした方が負けね。
ゴールは唇がくっついたら。
自分の順番の時に食べ切ったら勝ちだよ。
絶対俺が勝つから!」
「……? つまり結局キスするだけなんすか? それポッキーいらなくないすか?」
「………………」
「貘さん?」
「梶ちゃんってほんとキモ冴えてるよねっ!」
「え? 何ですか? てっきり僕は――、逆だと思ってました、キスする前にポッキーを折るとか……貘さん怒ってます?
怒ってますよね? ――もがっ!?」
「ん、ぅ、……、んむっ……♡」
「……、ぷはっ……! ば、ばくさん……!?」
「梶ちゃん、これから水族館に行こう」
「えっ今からですか!?」
「ポッキーの日は終了。今からチンアナゴの日だよ」
「……今朝のテレビで見たんすけど、今日はうまい棒の日らしいですよ。普通に買い物行って、かり梅のついでに買って帰りましょう」
「……そうする!」