ケープ姉が死んで師匠であるハルに拾われていくらかの月日がたった。ロキの背は少し伸び、今ではハルを背負って旅をしている。__どうやらハルはロキのことを操縦機か何かだと思っているようだが。
「今日はいっぱい移動したから明日はゆっくりしようか」ということで、ロキは旅で汚れたケープを洗っていた。
「…げ」
最悪だ、と言わんばかりの顔をしているロキの視線の先には裾が大きく破けたケープがあった。
「まぁあれだけ師匠乗せて走り回ってたらボロボロになるよなあ…」
と、ロキは操縦機代わりにあちこち走り回らされている日常に思いを馳せた。
破れたところを縫い合わせれば元通りには戻るが、これまでの活動を鑑みるにやはり多少補強しておくべきではないだろうか、とロキは考えた。このケープは姉との思い出が詰まったものなのでもとより買い換えるという選択肢は無かった。
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