体力測定 だから、嫌なら力で抵抗できるでしょう?
心のどこかで安堵してる自分がいる。罪悪感のようなものかも。僕の肩で綺麗な涙を流していた、純粋で無垢な子を僕が変えてしまった──みたいな。でもさ、嫌なら……力で跳ね除けられるだろう? おまえは僕よりフィジカルエリートなんだからさ。なんてね。
「モモ」
たまらなくかわいい蕩けた瞳を見下ろしながら名前を呼ぶと、涙の膜で潤んだ視線がゆらゆらしながら僕の瞳を射抜く。僕の目をきれいだと言うけれど、薄暗い部屋、僅かな明かりを拾う鮮やかな苺色は本当に美味しそうだよ。
「きれいだな」
目元に唇を寄せると、瞬きしたまつげが僕の頬をくすぐる。かお、あっついな。汗、甘い。ほっぺ、まるい。唇、ふっくらしてかっわい。牙、つるつるでおいしい。肉厚の舌、逃げんのうっま。口の中の鬼ごっこは僕のほうが上手い。走らなくていいし。追い詰めて捕まえてよしよししてあげるとモモは喜ぶ。かわいい吐息で喜ぶから僕も嬉しいけど。夢中になっちゃうね。
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