くちさびしい「銃兎は思ったよりもたくさん煙草を吸うのだな」
煙草を吸い殻入れに押し付けている銃兎の横で、理鶯はぽつりと呟いた。
緩み切った体と頭のせいで、その言葉への反応が遅れてしまった。銃兎は慌てて理鶯の周りの空気を手で払う。
「すみません、気が付かなくて」
「気にするな、思ったことを口にしたまでだ」
理鶯とは、今日一日行動を共にしていた。一緒に任務をしていた、というわけでもなく、ただたまの休みが重なったから、一緒にいてみようという話になっただけだった。
朝起きてから、日中も、夜も、これから眠るまでも一緒。もしかしたら、二人きりで過ごした時間で言えば最長記録かもしれない。
今まで、理鶯の前ではあまり吸わないようにしていた。だが丸一日となればどうしても吸いたくなってしまうし、一度吸い始めればあっという間にいつものペースになっていく。
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