さけはのんでものまれるなこの日、入間銃兎はひどく酒に酔っていた。いつもならば自制することができる飲酒量も、今日はどうにもセーブできなかった。明日が休みで気が緩んだからかもしれないし、気の置けない仲間との席だからというのもあったかもしれない。
疲れた体に一気に酒を入れたことも相まって、今までにないほどに酔いが回っていた。ふわふわと体も頭も宙に浮いているような感覚が、銃兎を取り巻いている。
「りおーはおさけがつよいですね」
「そういう銃兎はこんなにも弱かったか」
「さあー。貴方と飲んでるからじゃないですか」
からん、とグラスで氷が揺れる。空になったグラスに酒を継ぎ足すために手を伸ばすと、銃兎の視界はぐらりと揺れた。
「うわ、……っ」
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