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    燈屋さん(飛段×角都のみ)

    @zakuhibiHK

    NRT:飛角の邪ならくがき🔞🔞🔞
    脈絡などない。極現パに限りペイン×角都表現有。
    作業進捗もこちら。
    Xで無口な分、メモがてらちょっと多めにごちゃごちゃ語る。
    ※文の誤字脱字等は気付いたら修正しています。

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    POIPOI 291

    ★現パ:体だけのペイ角からの飛角なので要注意★

    私の書くパロには前世というものはなく全て別軸なのですが
    「邪神の聲」の時と同様にどこかでふっと不死コンビである二人の陰が見えると良いなとは思っています。時代パロは不死が前面に出てるのでややこしいのは現パだけな気も?


    ●前話①はこちら。【ペイ角/R18】
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=172167&TD=3530541

    ●「邪神の聲」はこちら。
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=172167&TD=3335215

    ##文字
    ##極現パ

    ◆膝を折り尚、背を向ける②◆――――――――――――







    「角都は?」
    「“帰れ”と」

    まぁそうだろうなと飛段は頭を掻いた。
    使用人だか部下だか知らないが、対応してくれている男はどこかしら不満そうだ。
    総長が拾ってきた《オモチャ》を頭と呼ぶ事に抵抗があると顔に書いてある。

    「手間かけさせて、すんません」
    「いえ」

    勝手を云っているのは自分だからととりあえず頭を下げると男は短く言葉を返し屋敷へ戻っていった。
    例え本人に会えたとしても業務時間内は《帰れ》で済まされることは分かっていたから組の若い連中には見えないように塀の陰に座る。
    居ることは分かったのだから出てくるのを待てば良い。
    帰るところは…一人の部屋は無くなってしまった。

    時折庭から聞こえてくる部下たちのペインの悪癖と角都に対する陰口を聞きながら待つ事どれぐらい経ったのか。
    す空は紅く染まり、遠くでカラスの鳴き声と夕方を知らせるチャイムが鳴っている。
    この仰々しい屋敷には似つかわしくない音だと思いながら目を閉じて耳を澄ませていると、屋敷からの足音が目の前で止まった。

    「今度は何をやらかしたんだ」
    「角都ッ」

    呆れた声に思わず笑い返す。
    そっけなくても顔さえ見れば《帰れと云ったはずだ》なんて問答無用で追い返しはしない。

    「立て。また余計な陰口が増える」
    「……あの胸糞悪ィやつな」

    チンピラとも云えないような下っ端までもが角都に文句を云っていた。
    総長の元へ来た経緯も何をしているかも全部知ってはいるけれど…。
    《総長の命を狙っていた》と噂の男が色々すっとばして頭など、文句を云いたくなるのも分からないではないけれど。

    「行くぞ。用事は道すがら聞く」
    「…ん」



    土地開発だかなんだか胡散臭い理由で飛段はアパートを追い出された話をしながら角都の隣を歩く。
    それも今日中だと。別に荷物は少ないし…正直そこに未練はない。



    「お前が居るし、まぁ良いかと思ってさ。喧嘩なんてしねぇで出てきてやった」

    悪びれもせず笑ってやると呆れた目をする男。
    眉間に皺を寄せて引き結んだ口が開けばきっと《まったく…》とため息をつく。
    それを待ちながらふと飛段は考えた。

    角都が組織から裏切られ恨みに吞み込まれていたその時に自分がペインのように彼を拾えていたらどうなっていただろう?
    あの事件よりも以前を知っていたはずなのに、初めからこうだったように何も思い出せない。

    「全く…荷物はそのカバンだけか?」
    「うん、家具とかはあるだろ?」
    「俺がダメだと云ったらどうする気だったんだ」
    「勝手に住む」

    良いとは云わないが駄目ではない。
    それを確認して満足な飛段は暫くは黙って隣を歩き、家に入った所で陰口について口にした。

    「結局さ、総長の悪癖ってさァ」
    「八つ当たりだ、アレは。虫の居所が悪いと憂さ晴らしをしたくなるんだと」

    部下を一発殴れば収まるという事でもない。
    かといって必ず誰かが熱を受けなければいけないというわけでもない。
    結局は気まぐれ、ただの性癖か…相手は女でも男でも構わない。
    発散したくなったら誰かを脅すか買うか。
    出来れば女ではない方が厄介ごとは少ない。

    「ヤな奴じゃねぇ?それ」
    「あの人の総長としての力は本物だ。カリスマ性もある。ストレス発散の方法が多少おかしくても組に影響はない」
    「多少…かよ…?」

    精々陰口をたたかれる程度、その矛先の殆どは自分だ。

    「口に出さないだけで部下の中には俺の代わりをしたいやつもいる」
    「ふぅん…?じゃぁ何でいつもお前なんだよ」
    「一度ヤったからと云って懐かれるのは面倒だ。ココロなんぞ要らんのだからな」

    アイツに必要なのは愛ではないのだと角都は云い放つ。
    自分の前ではいつも総長を《あのヒト》と呼ぶのが《アイツ》となった事で飛段は何故か少しほっとした。

    「愛が欲しいのであれば、俺を傍に置いたりはせんだろうさ」

    大抵のことを金で納得させられ、行為に説明も要らない。
    多少の恩があり裏切る行為に恨みを持ちながら大金を積まれたからといって己を曲げる事もしない。
    子分たちの好意も悪意も全く気にせず、色で地位を得たくせにと襲われても命を狙われても、自力で返り討ちにする実力がある。
    万が一何かしらで命を落としたとしても替えを見つければ済む。そもそも権力に興味がない。
    ペインにとっては最高に都合のいい男。

    「……」

    家族を持たない孤独な飛段は恋人などというものを欲したことはなかった。
    角都のココロを望んだこともなかったし、押し付けるような熱情も持ち合わせてなどいないはずだった。
    けれど角都がそうして陰口をたたかれる事も利用されている事も気に入らないのだ。
    ただの《愛》であってくれたならもっと我儘を云って拘束しようと行動を起こすのに、そうではないからどうしていいかわからず普段通りを装う。
    でも…事後に会うのはこれが初めてでもないのに今日はやけに無防備に見える。
    堅苦しく結ばれたネクタイを解き、ソファに捨てるのを目で追った。




    そういえば、こんなにも余韻を引きずっていた事はあっただろうか?

    何があった?

    いつもと違う抱かれ方をした?

    それ以前にいつもはどう…していた?




    聞いた事などなかった。
    帰ってすぐ風呂に入って、鬱陶しそうにソファに腰掛ける日はそういう日だといつか感覚で知った。
    そこにツッコむと機嫌が悪くなるわけではないが知らぬ振りが良いはずなのだ。
    それなのに、今日は…掴んで引き寄せて風呂にも入らせず上書きしてやりたいと思った。

    「飛段。奥の部屋をやるから好きに暮らせ。鍵は後で作っておく」
    「良いのかよ?こんな簡単に転がり込んで」
    「拒否しても勝手に暮らすんだろう?」
    「まぁ」

    ならば余計な会話を増やしたくないと今度はベストをソファに捨てた。
    さっさとこの余韻を洗い流して寛ぎたいのだ。
    ベルトを引き抜きまた捨てる。
    話しながら鎧が解かれていく様が警戒心のなさを物語る。
    いや…下心はあっても良いのか。
    飛段は知っている。
    こちらが変な気を起こしても殴り飛ばす力がある一方で、自らの体を大切にするつもりも無い男だ。
    かつての裏切りがそうさせている事も知っている。

    「…」
    「ふぅ…鞄を置いてこい。ベッドは無いから後日だな。他も追々揃えろ」

    ため息を吐いた唇を見てはっとした。
    あぁ、そうか。今日は壁がない。
    ドサリと鞄をその場に置く。

    「タバコは?角都」

    いつ見ても咥え煙草で近づく事を許さない雰囲気を出しているのにそれがないとテリトリーに入って良いと云われている気になる。

    「あ?あぁ…最中にアイツが取った」

    こともなげにあっさり零れ落ちる言葉に思考を焼かれた。
    《そういえば箱ごと忘れてきたな》なんて角都の声は聞こえなかった。

    「飯なら勝手に何か取れ。俺は風呂に……――――――何だ」

    嫌な顔をされ自分が角都の腕を掴んでいたことに気づく飛段。

    「離せ。これ以上の話は後にしろ」
    「今」
    「は?」
    「なぁ……お前、さ」

    どうせ碌な質問ではない。
    分かっていながら遮らない角都。

    「アイツにどうやってヤられてんの?何シてやってんの?」

    タバコを奪って何をした?
    思っていたよりも直球で聞いてきたので腹も立たない。

    「それを聞いてどうする?」
    「俺もヤる」

    あまりにも真っすぐ返してくるので《そうか》と納得しそうになった。
    馬鹿な事を。
    くだらない冗談に付き合ってやるつもりはないと腕を振り払って背を向ける角都の束ねられた髪を引っ張る。
    苛立ちを籠めて奥歯を噛む。
    その仕草でいつもなら煙草が歪み、煙が揺れるのだ。
    殴り返されるのを承知で力いっぱい髪を引っ張りソファの上に引き倒そうとする飛段。
    髪を掴む手首を掴み飛段が逃げられないようにした上で角都は腹に蹴りを入れた。

    「うぐっ…!」

    痛む腹を無視して両手を頬に伸ばす。
    鷲掴みにしてくるチカラに本気を感じて角都は呆れる。
    たかが煙草ぐらいで何を熱くなっている?
    こちらがいくら気にかけて、やくざ者になってしまわないよう手を回したとしても何も気づかず
    こちらのヤキモキなど知りもしないで《ヤリタイ》でも《ヤラセロ》でもなく《ヤル》などと。
    懐かれているわけではない。
    深く入り込むつもりもない。
    金への信頼を馬鹿にしながら何かあると容赦なく手を貸せと云ってくる男と
    神への信仰を馬鹿にしながら頼られると呆れたフリで手を差し出す自分。
    妥協と依存のおかしなバランスで成り立っている関係を飛段はどう思っているのか。
    考えながら口元に食い込む親指を舐めた。

    「ッ…?」
    「気まぐれに口の中を弄っただけだ。面と向かって繋がる事はない」
    「………?」
    「お前が来たことを知って俺に声をあげさせたかったようだがな」

    生憎、悪趣味な遊びに付き合ってやるつもりはない。
    お陰で一回で終わるはずが三回になってしまった。

    「お前のせいで今日はくたくただ。分かったら離せ…ッッ!」

    会いに行ったあの瞬間、繋がっていた事実。
    カッとなった飛段は頬を掴んだまま自らの唇を押し付けた。
    紫煙の匂いがする。
    角都の匂いだ。
    けれどどことなく体中から顔を知りもしないペインの匂いがする気がして気が狂いそうだ。
    恋人などではないのに。
    好きだと思った事はないのに。



    ぐぐぐっと顔だけでなく体も押し付けてくる飛段を鬱陶しく押し返す。
    落ち着くよう促しても気づきもしないようだ。
    とりあえず離れるべく後ずさる。
    少し離れては強く近づかれ、ステップを踏むように細かく動く。
    攻防を繰り返している内にソファからはみ出したネクタイを踏んで滑る。
    我を忘れた飛段の力に抵抗しながら体勢を支えるには残った体力が少なかった。

    「ッぐ…!」
    「ぅわっ」

    二人の体がソファに落ちる。
    覗き込んだ飛段は勝ち誇った顔をし、シャツの襟をつかんだ。

    「面と向かってはしないって云ったな?キスは?胸は?」

    云ってシャツを無理矢理開ける。
    飛び散るボタンに眉を寄せる角都。

    「馬鹿な事を。アイツが気持ちよくなれば良いんだ。前戯などあるわけがないだろう」
    「…そんなん、ただの穴じゃねぇか」
    「そうだ。そうでなければならない。俺の話をどう聞いていたんだ」

    いい加減にしてくれと大げさにため息を吐き体から力を抜く。

    「都合よく使っているのはお前も同じだろう。何が気に入らない?」

    部屋を提供するのと体を自由にさせるのは違うだろうと怒る飛段。
    かといって、縫い痕だらけで金にしか興味のないこのヤクザ者に体を大事にしろなどと云うのもおかしな話だ。
    これまでを振り返っても自分は角都にとって良い存在ではなかっただろう。
    小さな揉め事をもみ消して貰ったり、食えなくなったら金の無心をしたり。
    いかに厄介で中途半端な不良であるかは自覚している。
    それでも、だ。

    「お前にとってソレと同じなのが何か納得いかねぇ」
    「今お前がしようとしている事は何か違うとでもいうのか?」
    「分かんねぇよ!誰かがお前に触ってるのが嫌だと思ったんだ」
    「今更?」

    意味が分からない。
    飛段を泊める事は初めてではなく事後に会うことも多々あった。
    察していたくせに。

    信じるべきは金だけだ。
    それが手に入り、鬱陶しい色欲も処理できるのだから好都合だと云い放つ。
    そういう事ではないのだと飛段は心臓を掴むように胸を鷲掴みにした。

    「…ッ、」

    これまでそんな風に突っかかってきた事も無かったのに今日はどうした?
    飛段の云い分が正しいか間違っているかなどどうでも良いと角都は思った。
    事実としてそこにあるだけの過ぎた時間だ。
    飛段だとてそうして過去を切り捨てたはずだ。いつの間にか、家族など端からなかったものと。

    「角都っ、お前のっ…」






    これは異常な執着だ。
    いつから在ったかも分からない奇妙な情だ。






    お前の連れは俺にしか務まらない――――――……








    「飛段?」













    **********************

    えっちぃ続きがあるけどいつになるかは未定…





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