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    nyanyunyo001

    @nyanyunyo001

    踊る🐈。🔥🎴メインkmt箱推し。衝動エロ置き場。

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    nyanyunyo001

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    どらりぬさんお誕生日おめでとうございます🎂🎉💝
    朝から空き時間で書き殴って時間切れ、推敲も校正もしてませんごめんなさい!!
    🔥🎴/現パロ/同棲if /捏造設定🐈‍⬛

    #🔥🎴
    #現パロ
    parodyingTheReality
    #同棲if
    sameAsPercif

    六月二十三日 午前三時。
     まだ世界が寝静まっている中、炭治郎はごそりと起きだした。赫黒い髪はまだ闇に黒く、その下の瞼はまだ重たげに開ききらない。とろんとした柘榴色の瞳がゆるやかに隣へと向けられる。
     掛け布団とシーツの隙間から、金色のふわふわした髪がこぼれている。
     すう、すうと規則正しく聞こえてくる寝息に、満足そうに瞳が緩んだ。
     そっと伸びた指が髪をひとふさつまみあげる。指先にくたりと甘える髪先の赤。
     ぅーん……と寝返りを打たれると、薄手の羽布団の間から肌があらわになる。筋肉のしっかりついた肩、くっきりとした鎖骨、太い首筋、触れると見た目より柔らかい胸筋。
     そこに散らされた赤い虫刺されのような跡。肩口には歯形がそれとわかるほどについており。
     間接照明のわずかな灯りにそれを見つけた炭治郎は、顔を真っ赤にして枕につっぷした。
     ───こら、唇を噛むんじゃない。噛むならこちらにしなさい。
     あまりの心地に考えることができなかった。押し付けられた熱い肌、籠った低い声、律動と耐えきれないほどの悦楽。
     声にならないうめきを枕に吸わせ、両足をばたばたと動かし、迸る羞恥を発散させる。そうでもしないと爆発しそうだった。
     隣に眠る美丈夫が、手をぱたぱたと動かしている。先ほどまで炭治郎がいた場所を探し回る手を止めてやると、ぎゅう、と思いのほか強い力で握り返された。
     乾いた指先に口付け、炭治郎は微笑んだ。
    「行ってきます、杏寿郎さん」
     ベッドを降りた炭治郎は、きしむ腰をさすりながら寝室の扉を閉める。その背中を窓辺のトルコ桔梗が見送っていた。

       ◇

     午前六時。
     ざっとシャワーを浴び、煉獄は濡れた髪のままリビングに向かう。さっぱりした身体のあちこちに残るかわいらしい赤に満足そうに触れ、食卓に座る。
     ランチョンマットの上に並んだ朝食は目玉焼き、ボイルドウィンナー、マッシュポテトにサラダ。バターの隣に食パンが一斤置かれている。本職の恋人が焼き上げたそれは煉獄にとってなによりのご馳走だ。作った本人はもう出勤してしまっているのが少し寂しい。
     ───トーストしますか、そのまま食べますか?
     首を傾げながら問いかける幻すら愛しい。
    「今日はトーストにさせてもらおう」
     煉獄はポップアップトースターに切り分けられたパンを二枚放り込み、レバーを押し下げた。
     食後に熱いコーヒーを飲み、ひと息つけば食卓の真ん中で揺れる白い花が目に入る。葉の先がいささかくたびれてきたようだ。水を入れ替え、栄養剤をわずかに足す。花弁がふわふわとした手触りの花に炭治郎が笑った顔を思い出す。これの鉢植えを買って帰れば彼は喜ぶだろうか。
     制服のように着ている白いワイシャツに燕脂のネクタイ。ダークブラウンのスラックスに脚を通せば、歴史教師の出来上がりだ。ワイシャツにくっついていた付箋を手帳に貼り直す。今日は暑くなりますので、夏用のシャツを着てください。学生時代からちっとも変わらない、はっきりした文字。彼の人柄をそのまま表したようなそれを集めた手帳は既にぼこぼこと分厚くなっている。
     冷蔵庫から大きな弁当包みを取り出し、出勤支度を整えた煉獄はソファに寝そべる黒猫の頭を撫でた。
    「食卓の花は食べるんじゃないぞ」
     煉獄は玄関の扉を開ける。メモが教えてくれた通り、夏のような青空が広がっていた。
    「行ってくる!」
     にゃあ、と黒猫がおざなりな返事をした。

       ◇

     正午。
     かまどベーカリーは炭治郎の実家でもあり、職場でもある。高校卒業後、すぐに店に入ろうとした炭治郎に専門学校で資格をとるよう勧めたのは、誰でない当時の日本史担当の教師だった。彼がいずれ恋人になるとは露にも思っていなかったな、と炭治郎は思い返すに笑ってしまう。
     今日のおすすめ商品はクリームたっぷりのメロンパンなのだが、突然の夏日のせいであまり出足がよくない。体育の授業がプールだと末弟の六太は喜んでいたが、パン屋としては大打撃だ。日持ちもしない商品だから、売れ残れば家族で消費するしかない。しかし三年前であれば憂いのタネだったろう売れ残りも、今ではそんなに怖くはない。
     きっと、持ち帰ったパンに次から次へと手をのばし、うまいうまい何故こんなにうまいのに売れ残るか理解できない! と完食してしまうだろうから。
     いつでもうれしそうに炭治郎のパンを食べてくれる恋人の声が、今も聞こえるようだ。きっとお弁当を前に、うまい! と叫んでは同僚の先生たちに怒られているにちがいない。
     くふくふと笑っているところに、ウィンドチャイムの軽やかな音。しあわせ全開の笑顔をお客様に向けてしまい、恋に落ちた青年客が花束を抱えてひと騒動を起こすのは明日のこと。
     炭治郎は慌てて顔をひきしめ、厨房奥に戻っていく。その翻る耳飾りを、店先に植わった姫向日葵が見つめていた。

       ◇

     午後三時。
     今日の受け持ちの授業をすべて終え、煉獄は固いソファに身を沈めた。社会科準備室には強い西日が差し込み、汗で襟元が滲む。緩めようとネクタイのノットにかけた指がぴたりと止まった。
     コンコンと性急なノック。声をかける前にガラリと開けられ、女子生徒が入ってくる。日直が集めたノートを運んできたのだ。
     重ーい、と不平を告げる女子生徒にご苦労と声をかければ、ここ暑いよれんきょ!と元気に退室して行った。
     どこかの誰かとは大違いだ。煉獄は目を細め、閉め切られなかった扉を閉める。
     彼女のほうが大多数だ。彼が特別だっただけだ。煉獄はそれを、彼が卒業した後数年で思い知った。
     控えめなノック。許可があるまで扉は開かれない。失礼します、と頭を下げるから大きなピアスがからんと鳴った。いつも真っ直ぐに煉獄を見、ノートを持ってきました! とハキハキと伝えてくる。大きな紅色の目がもっと雄弁に伝えてくるのは、明らかな好意だ。尊敬、憧れ、崇拝。それより強く、恋慕。
     いつだって、教師と生徒の境界線を超えまいと必死になった。今煉獄が座っているソファに無防備に腰掛け、麦茶を振る舞えば畏まって受け取り、聞き上手な彼はどんな話にもよく笑い、時間も忘れふたりで過ごした。あれは紛れもなく、煉獄の忘れることのない宝物の思い出だ。
     ああ、早く。早く彼に会いたい。終業まであと数時間。今は運動部の掛け声が遠く、遠くに聞こえた。

       ◇

     午後五時。
     大きなカートをガラガラ引いて、炭治郎は玄関の扉を開けた。むわっと熱気が頬を撫でる。慌ててリビングに走り、ベランダに続く窓を大きく開け放つ。
    「ただいまごめんな要、暑かったろう!」
     黒猫に声を掛ければ、なぁん、と呑気な声が返る。キャットタワーの最上階からぱたりと黒く長い尻尾が揺れた。
     カートに詰め込まれた食材をどんどん冷蔵庫に放り込む。煉獄がよく食べてくれるから、炭治郎はつい腕にヨリをかけてたくさんの料理を作りたくなる。ヘルシーで食べ出があって、愛情たっぷりの食事を朝昼晩とつくるのは本当に楽しい。うまいうまいと顔を輝かせて食べてくれることが、本当になにより嬉しいのだ。料理人としても、恋人としても。さて、今晩の献立を組まないと。買ってきた食材をどう組み合わせていくか。頭をフル回転させながら炭治郎はベランダに出た。
     この季節、まだ外は明るい。梅雨入りしたためこのところ天気が不安定で、一日晴れが続いた今日は絶好の洗濯日和だった。洗濯物は完璧に乾いていて、お日様のいいにおいがする。取り込みながら満足、どやさ! と抱えて部屋に戻ると、食卓の上の花が幾分くたりとしているのが目に入った。炭治郎が日当たりにこだわったリビングだ、一日きつい日差しにあてられ疲れたのだろう。葉も花も、肉厚でやわらかな手触りの花はフランネルフラワーというらしい。煉獄がミニブーケになったそれを差し出しながら教えてくれた。玄関のシャクヤク。洗面所のブルーフラワー。寝室のトルコ桔梗。それらはすべて煉獄が買ってきたものだ。大事にしたい。花の様子をみながら、冷たい水をやる。切花でもきちんと世話をすれば、七日も十日ももつものだと煉獄の母に教わった。瑠火はお花の免状を持っていると聞いた。どれだけすごいのか炭治郎にはよくわからないがとにかくすごい。瑠火のアドバイスで花はずいぶん長持ちするようになった。
     今日も、煉獄さんは花を買ってくるのかな。
     想像した炭治郎は真っ赤になった顔をゴシゴシと両手で擦った。

       ◇

     午後七時。
     帰宅した煉獄の手には、果たしてミニバラが咲き誇っていた。
    「においの少ない品種なんだそうだ。かわいいだろう」
     満面の笑顔で黄色いバラを差し出せば、炭治郎が一瞬たじろいだ。
    「あ、ありがとうございます!」
     うん? と煉獄が首を捻る。
    「どうした炭治郎。この花は好きじゃなかったか」
     煉獄のふたまたに分かれた眉が下がる。ああ、そんな顔をさせたいんじゃないのに、と炭治郎は焦った。
    「すみません、お花はとても嬉しいしこの花はとてもかわいいです! でも……」
     上目遣いに自分を見てくる炭治郎に、煉獄はうっと詰まらせた。詰まったのは息か喉か胸か。
    「うちにはもう、花瓶がありません!」
     炭治郎がミニバラを抱えて悲しげに言う。
    「なんだそんなことか! 安心してくれ、クローゼットの奥にまだあったはずだから」
     黒い革靴をぬぎながら玄関を上がる煉獄に、炭治郎が言い募る。ウォークインクローゼットに入ろうとする腕を炭治郎がつかんだ。
    「あの、その、それとですね。もう、飾るところが、なくって」
    「並べて飾ればいいだろう。どうしたんだ。何を困っている。やはり、花はいらなかったのだろうか」
     そうじゃないんですけど、と炭治郎は言いにくそうに目を逸らした。煉獄は足を止め、炭治郎に向き直る。炭治郎の手をとり、リビングに連れ立ってソファに座らせた。炭治郎は大人しくついてきてミニバラを抱えている。
     その前に跪き、煉獄は炭治郎の顔を覗き込んだ。
    「どうした。何を困っている。ゆっくりでいい、話してごらん」
     低い穏やかな声。それは炭治郎がなにより好きな、炭治郎の高校生活を三年間彩ってくれた煉獄先生の声だった。

    「あの、ここのところ、毎日のように花を買ってきてくれますよね」
     そうだな、と煉獄は頷く。最寄駅からこのマンションまでの間に、小さいが品揃えのいい花屋をみつけたのは先月のことだ。炭治郎と歩いていて見つけた。あの時、炭治郎のはしゃいだ顔でこの子は花が好きなのだと思っていた。
    「煉獄さんが選んで、俺のために買ってきてくださった花を、俺は大事にしたいんです」
    「それはありがたいことだな。贈り甲斐があるというものだ」
    「ですが、長持ちさせると、飾るところも花瓶も足りなくなってしまって、その…」
    「長持ちさせてくれてありがとう。花瓶を買ってこよう。たくさん飾ればいいと思うのだが」
    「その、買ってきてくださると、その……」
     もぞり、と炭治郎が膝を動かした。いや、膝ではなく、脚を。脚というより、腰を。
     気づいていたのか。煉獄は炭治郎の顔をじっと見つめる。
    「週末とかならいいんですが、最近、平日もずっと買って来てくれるので……」
     もぞもぞ、ゴニョゴニョ。
     わずかに頬を紅潮させ、膝を擦り合わせ、花を抱えて恥じらって。
     煉獄は伸ばしかけた手で、ぐっとソファの手すりを握り込んだ。腕に体重をかけ前のめりになって炭治郎に顔を近づければ、小さな籠が出来上がる。籠の中の鳥に努めてやさしく尋ねる。
    「毎日ではダメか……?」
     耳の近くで囁けば、首まですぐに赤くなった。身じろぎに大ぶりの耳飾りが揺れる。その動きを口で止めてやれば、くん、と耳朶ごとひっぱられる。
    「だって、いつも、へとへとになって煉獄さんに迷惑かけてしまって」
    「杏寿郎」
     ピシリと言ってやれば、真っ赤になった炭治郎が言い直す。
    「……杏寿郎さんに、いつもきれいにしてもらってしまって、俺、申し訳なくて」
    「動けなくなるまでムリさせてしまうのは俺のわがままだからな。それくらいはさせて欲しい」
     花を贈るのは、いつも意識がなくなるか記憶が曖昧になるまで抱き潰してしまう詫びの意味も兼ねている。ただきれいなものを贈りたい気持ちも、もちろんある。ただそれを受け取る炭治郎の嬉しそうな顔が、なにより美味そうで。
     花屋が開いているような時間に帰宅できる日は、時間はもちろん、体力にも余裕があるということだ。そんなところに、身も蓋もなく全方向にかわいい恋人にはにかんで笑われたりしたら。
     持てる全ての余裕を注ぎ込んで可愛がってしまいたくなるのが男というものだろう。
    「せめて、二日置きくらいでお願いしたいです……」
    「無理を言わないでくれ。そんなかわいい顔で言われても、聞けるはずがないだろう」
     反論ごとかぶりつけば、しばらくは逃げ惑った舌も頭も、さして時間もかからず蕩けて痺れたように甘くなる。なあ、どうやって麻薬のようなこんな蜜を我慢できるというんだ炭治郎。
     一回だけですよ、と念をおされたものの、煉獄の一回が終わる頃には炭治郎はくたりとソファに沈んでいた。
    「もう……ほんとに身体が持ちませんよ……」
     涙目で言う炭治郎がかわいくて目尻に音を立ててキスを落とす。
     炭治郎の指示通りに温め直した食事をふたりでいただき、今日のオススメだというメロンパンにかぶりつけば、うまい! と腹から声が出た。
    「煉獄さんはそう言ってくれると思ってました!」
     嬉しそうに笑う炭治郎に嬉しくなって、頬にキスをひとつ。すぐに赤くなる恋人がかわいくてつい、口が滑った。
    「あとでもう一回お願いできるだろうか!」
    「もう持ちませんって言いましたよね俺?!」
     じゃれつく二人の様子を、ローテーブルに置かれたミニバラが眺めていた。
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    MOURNING年末に書いたこたつでまったりする現パロ猗窩煉です。完結の予定がないけどみかん食う猗窩煉見て欲しいのでアップします。めちゃめちゃ中途半端に終わってます。年の暮れ、午後3時頃。ストーブで十分に温まった居間の中央に置かれたこたつに、2人は向かい合って座っていた。

    年末の特番をぼんやりと眺めながら、特に内容の無い会話を繰り返して時が過ぎて行く。時折微睡んでは意識を取り戻して、またテレビを眺める。

    そんな穏やかで何気ない日常が何よりの非日常だった。だからこそ、こうして時間を消費してしまうことがどこか惜しくも感じる。

    何か仕掛けてやりたくて、猗窩座は突然こたつから這い出て立ち上がった。
    杏寿郎は相変わらずテレビで流れているお笑い番組に時々ふふ、と笑い声を漏らしながら眠そうに目をこすっていた。

    動かないとわかると、この場で仕掛けてやるしかなくなる。杏寿郎が座って潜り込んでいる横にわざわざ並んで座った。

    「……何をしてるんだ」

    「何がだ」

    欠伸をひとつしながら、狭い、と身を寄せるが、それを好機とばかりに体をねじ込んで居座る。

    「……なんでこっちに来るんだ」

    「この方が温い」

    そう言いながら、ぴたりと身を寄せ合う形で同じ位置に納まる。足元だけでなく、密着したところから広がるお互いの温もりで全身が温かくなってくる。

    しばらくはそう 1817