一年に一回では少な過ぎる 笹の葉に願い事を書いた短冊括りつけていた純粋な心はどこにやってきたんだか。
はあと溜息をつきながらラブホテルの近くの物陰でひたすらホシが出てくるのを待つ。
この時期は不倫相手と自分を彦星と織姫に見立てる馬鹿が一定数いるので証拠写真を撮るにはうってつけなのだ。
ロマンチックな天の川を撮影するならまだしも愛憎乱れた男女の現場の為に時間を費やす羽目になるとは。
短冊に書いた夢なんざ遠の昔に忘れてしまったが、少なくともこんな事をやりたいとは書いてない。
大体嫁も子供もいて不倫する野郎の為になんでこんなにも時間と労力を消費しなければならないのか。
しかも、不倫相手は自分の子供より若い自身の教え子。
離婚だけで済めば良いが、こいつの場合は失職するだろうな。
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