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    このか

    @Msmizu_konoka

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    このか

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    フレンドさんにスイカを頂いたので、二人に食べてもらいました。
    あと、他のフレンドさんが浴衣を買ったのが羨ましかったので、浴衣を着せました。
    付き合ってないウツハン。

    #ウツハン
    downyMildew
    #このかモンハン日記

    浴衣とスイカ夏の日の夜。
    狩猟は昼夜関係なくあるものだが、愛弟子は久しぶりに狩猟をお休みし、自宅で涼んで過ごしていた。
    寝転がり、うちわでゆっくりと自身を扇げば、ぬるい風が頬を撫でる。
    狩猟の時は気にならない程気を張っていたが、ひとたびこうして気を抜いてしまえば、夏の暑さを嫌でも感じてしまう。
    このまま寝てしまおうかと布団替わりの薄布をかけ、まどろむ意識に身を任せようとした時。
    「その恰好で寝るのは感心しないな。」
    耳元で聞こえた声に、一気に覚醒する。
    見上げるとそこには教官の顔があった。
    「戸が開けっ放しになってたよ。平和な里だし、暑いのはわかるけど、寝る時は戸締りしようね。」
    にっこりと、やんわりと、注意される。
    「どうしたんですか、教官?こんな時間に…」
    「すごく大きいスイカを頂いてね。早く我が愛弟子に見せたくて、持ってきちゃった!」
    見ると、教官の傍らには大鍋サイズの大きいスイカが横たわっていた。
    「……本当に大きいですね。」
    「そうなんだよ!せっかくだから一緒に食べよう?」
    よく冷えてるんだよ、と包丁とまな板、皿を取りに行く教官。
    相変わらず、勝手知ったる我が家のように振る舞う教官。
    そして今食べるのが決定事項になっている今の事態。
    まぁ指摘してどうにかなる事でもないし、寝るにはまだ早い時間だ。
    言われてみれば喉も乾いていたから、スイカは丁度いいのかもしれない。
    スイカに触ってみると、確かにひんやりと冷たかった。
    ごくり、と愛弟子の喉が鳴る。美味しそうだ。


    暫くして、スプーンだけ手に持った教官が戻ってきた。
    「さすがにこのサイズのお皿はなかったから、このまま食べちゃおうか。」
    「え?良いですけど、どうやって…」
    スパン!
    …と音がしたかと思うと、大きなスイカは綺麗に真っ二つに割れていた。
    「おっとっと」と、すぐさま畳に汁が垂れないように割れたスイカを起こす教官。
    「汁、掛かってない?大丈夫?」
    「だ、大丈夫です…。」
    この人、手刀でスイカ割ってる…。
    「それならよかった。はい、どうぞ。」
    にこやかに割られたスイカとスプーンを愛弟子に手渡す教官。
    スイカ半分をスプーン食べするという贅沢な夜食だ。
    「夜食にしては、多いですね。」
    「食べきれなかったら、残していいからね?残りは俺が食べるから。」
    「いえ、食べきれそうです。」
    そう言いながら「いただきます。」と食べ始める愛弟子。
    一口食べると、清涼感のある甘い果汁で口の中がいっぱいになる。
    「…!このスイカ、すごくおいしいですよ!」
    「そっか、良かった。俺も食べようかな。」
    でもその前に、と愛弟子の胸元へ手を伸ばす教官。
    「浴衣、乱れてるよ。」
    そう言って、衿を直してくれた。
    そうだ、浴衣が売っていたので、買って着替えたのだった。
    そこでふと気づく。
    ……今、どれだけ乱れていた?どれだけはだけていただろうか?
    確かに先ほどまで風の通っていた胸元が、今は衿を正され風が通らなくなっている。
    もしかしたら、想像以上にはだけていたかもしれない。
    ……今更これ以上考えても良い事はなさそうだ。
    「……どうも。」
    とだけ返し、火照った顔を冷ますべくスイカを頬張った。
    「ふふ…浴衣、涼し気で似合ってるね。」
    と、微笑ましそうに見守った教官も、口元の鎖帷子を下ろし、同じようにスイカを頬張った。
    「本当に美味しいスイカだね!いくらでも食べられそうだよ!」
    「そうですね。」
    それから、話に花を咲かせながらスイカを食べ進めた。
    昔は『種を飲んだらへそから芽が出てくる』という迷信を信じこみ、種を飲んでしまったと泣きながら助けを求めてきた事もあったね、と教官が言うと、そんな昔の事忘れました、と頬を染めた愛弟子が返す。
    「それから昔は縁側から庭に種を飛ばして、そこから芽が出ないか目を輝かせていたキミが可愛かったな。」
    「昔の話ばかりですね。」
    「もちろん、今のキミも可愛いよ!」
    「かわ…っ!?…ごほん、自分はもう大人ですので。可愛いというのはちょっと…。」
    「大人になったら可愛いと言っちゃダメなのかい?」
    「ぐ……いや、もういいです。好きに呼んでください。」
    「もちろんだよ!可愛い我が愛弟子!可愛いといえばこの間の狩猟の…」
    「あの時は入れ替え技を試して…」
    結局、狩猟の話になっていく。二人ともワーカーホリックなのだ。


    教官の淹れたお茶を飲んで一息つく二人。
    傍らには綺麗に白い部分が見えるスイカの皮の器が二つ。
    「美味しかったですね。ご馳走様でした。」
    「スイカをくれた人に感謝だね!」
    片付けてくるよ、とお茶やスプーンの入った皮を下げて奥へ向かう教官。
    さすがに大きなスイカ半玉を一気に食べたらお腹いっぱいだ。
    夜も遅くなってきたし、何だか眠くなってきた。頭が働かない。


    教官が片付けを終えて戻ると、そこにはすやすやと寝息を立てる愛弟子がいた。
    「その恰好で寝るのは感心しないって、言ったんだけどなぁ。」
    教官の目に映るのは、はだける胸元や隙間から覗くスラっとした脚。
    ごくり、と教官の喉が鳴る。美味しそうだ。
    一度目を瞑り深呼吸した教官は、愛弟子を抱き上げ布団に寝かせ、布団をかけてやる。
    「おやすみ。可愛い可愛い、俺の愛弟子。」
    今はまだ我慢するけど。いつか食べさせてね。
    そう呟きながら愛弟子の頭を優しく撫でて。
    「スイカは体が冷えるから、しっかり暖かくしないとね。」
    朝起きたらどんな顔をするだろうかと気を躍らせながら、愛する弟子を抱き寄せて共に眠りについた。
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