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    asamag108

    タイトル付けるほどではない短文とか、長めの話を書いてる途中で削った部分のリサイクルとか。
    @asamag108

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    asamag108

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    魔界旅中のダ様とラー。CPではない、と思っている。
    話にあんまり絡んでないけどダインさんも一緒に旅してる。

    #ダイ
    die
    #ラーハルト
    rahalto.

    「ラーハルト、これ読める?」
    魔界の旅の途中、主君に差し出されたものは手書きのメモであるようだった。
    魔物ばかりの島で育った主君――ダイが読み書きを苦手としていることは聞き知っている。本人曰く、勉強して簡単な本くらいなら読めるようになったということだったが、何か彼の知らない難しい言葉でも出てきたのだろうか。
    そう思ってメモを受け取り、ラーハルトは眉を寄せた。
    一文字目から、ラーハルトにも見慣れない字が連なっていた。
    全体を眺めればいくつかは知っている文字が現れて、それが魔族の文字で書かれたものだということに気付く。
    一体どこでこんなものを、と思うと同時、その思考を読んだようなタイミングでダイが口を開いた。
    「旅に出る前にヒュンケルから『魔界で役に立つかもしれない情報を纏めておいた』って渡されたんだ。もしも落としたりした時に面倒があるといけないから魔族の文字で書いたって言われたんだけど……おれ、人間の字はちょっと読めるようになったけど、魔族の文字なんて全然分かんなくて。さっきクロコダインに聞いてみたけど、読めないって困った顔されちゃったんだ」
    そこらで拾ったものなどではなくヒュンケルから受け取ったのであれば、特に怪しいものではないだろうとひとまずは安心する。
    クロコダインは知能は高いが種族としては獣系のモンスターであるゆえ、字が読めないというのも仕方のないことであろう。かつて彼が部下として従えていた獣たちと意思疏通をするのにも文字は必要ない。
    主君から頼られたのだから、どんなことであれ役に立ちたい。それがラーハルトの気持ちではあるが、非常に口惜しいことに、ラーハルトも魔族の文字については知識がない。父親が魔族であるとは言え、物心も付かないうちに死んでしまった父から何かを教えてもらった記憶は一切ないのだ。
    人間の母に育てられたので、人間の子供が読むような本に出てくる程度の文字は彼女から教わった。バランに拾われてからもう少し難しい文字の読み書きも教わったが、それも人間の使う文字だった。互いに人間を憎んではいたが、地上にはその人間たちの書いた文字がそこかしこに溢れている。町中の看板もしかり、流通している地図もしかり。憎い人間の作ったものとは言え、その人間を滅ぼす目的からしても読み書きできないのは不便が多いとラーハルトも納得していた。
    ダイから受け取ったメモの中に見たことのある文字くらいはある。けれどそれらを見ても、一体どこからどこまでがひとつの単語なのかすらも分からないし、文章として読み解くなど到底無理な話だった。
    主君の期待に応えられないことが無念で、申し訳なくて、畏まって膝を突く。
    「申し訳ありませんダイ様。私も魔族の文字には習熟しておりません」
    地面に触れるほど深く頭を下げるラーハルトに、ダイは俄かに慌てた様子を見せた。
    「頭なんか下げなくて良いよ! そうだよな。ラーハルトだって小さい時にお父さんが死んじゃったんだから、魔族のことなんてよく知らなくて当たり前だよね」
    部下に頭を上げさせながら困った顔を見せるダイに、ラーハルトはますます不甲斐ない気持ちになった。
    おそらく今ダイが困っているのは文字を読めないことではなく、自身が頭を下げた行動に対してであると認識してはいるが、自分がこのメモを読めさえすればそんな顔をさせることはなかったのでやはり自分が悪い――いや、元を辿れば悪いのはヒュンケルだ。ヒュンケルだってダイが読み書きを得意としていないことは知っているはずで、地上で生まれ育った彼が人間の文字すら満足に読み書きできないのに魔族の文字など読めるわけがないと何故考えが及ばないのか。メモを書いたのは親切心に他ならないだろうが、一歩気遣いが及んでいない。
    ……とは言え、この先も魔界の旅を続けていくことを考えれば、魔族の文字が読めるに越したことはない。魔族は寿命が長いため、人間と比べれば知識を書物として後世に残すことには重きを置いていないが、地上で人間の文字が読めなければ不便だったように、魔界では魔族の文字が当たり前に使われているのだ。幸いラーハルトやクロコダインは、読み書きはできずとも音として魔族の言語を聞き取ることはできるので、ここまでの旅に大きな問題はなかった。しかしこれからも問題がないとは限らない。
    「ダイ様。このラーハルト、今後ますます貴方様のお役に立てますよう、近日中に必ずや魔族文字を修めてお見せいたします」
    魔族が書物を残すことに重きを置いていないとは言え、書というものが皆無というわけではない。
    また、先日立ち寄った集落で、一部の魔族の間では人間の真似事が流行っているという噂を聞いた。
    泊まった宿の受付に「いちつしやいませ」と記されていて、不審げに目を留めたラーハルトへ、宿の主人が流行りに乗って見よう見まねで書いたものだと話しかけてきたのだ。魔族と一口に言っても皆が一様に大魔王に共感していたわけではなく、大魔王に立ち向かった人間という種族の方に興味を抱き、その文化を真似てみようとする好奇心の強い者もあるようだ。
    その流行りゆえか、人間の言葉を紹介する辞書のようなものも出回っていると件の宿の主人が話していた。そういうものを手に入れられれば、魔族たちとは逆の用法で、人間の言葉から魔族の言葉を引いて学習することができるだろう。
    急遽湧き出た新たな目標に意欲を燃やすラーハルトへ、ダイは困惑しながらも、おかしな決意というわけでもないから任せておいても良いだろうと、「期待してるね」と部下のやる気に油を注ぐ言葉をかけた。



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    ダインさん文字読めない設定にしちゃったけどどこかでお手紙とか読んでましたっけ…?
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    asamag108

    MAIKING魔界旅中のダ様とラー。CPではない、と思っている。
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    魔界の旅の途中、主君に差し出されたものは手書きのメモであるようだった。
    魔物ばかりの島で育った主君――ダイが読み書きを苦手としていることは聞き知っている。本人曰く、勉強して簡単な本くらいなら読めるようになったということだったが、何か彼の知らない難しい言葉でも出てきたのだろうか。
    そう思ってメモを受け取り、ラーハルトは眉を寄せた。
    一文字目から、ラーハルトにも見慣れない字が連なっていた。
    全体を眺めればいくつかは知っている文字が現れて、それが魔族の文字で書かれたものだということに気付く。
    一体どこでこんなものを、と思うと同時、その思考を読んだようなタイミングでダイが口を開いた。
    「旅に出る前にヒュンケルから『魔界で役に立つかもしれない情報を纏めておいた』って渡されたんだ。もしも落としたりした時に面倒があるといけないから魔族の文字で書いたって言われたんだけど……おれ、人間の字はちょっと読めるようになったけど、魔族の文字なんて全然分かんなくて。さっきクロコダインに聞いてみたけど、読めないって困った顔されちゃったんだ」
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