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    Tonya

    2025.2 再開。お絵描きの習慣化を目指して、しばらく練習記録を投げる予定です。

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    Tonya

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    お題「白い秋」
    ボクタイ

    鬱蒼とした森を抜け、薄野に出た。色づいた山と薄が夕日に輝き、一面が燃えているようだった。
    なんだか恐ろしい気がしてジャンゴはその場を離れた。野営地に戻り、火を起こし簡単な食事を終えてひと眠りする。
    夜半に目が覚めた。焚火はとうに消え、冷たくなった枯れ枝や灰が残っている。薄闇が辺りを覆い、取り囲む木々が見下ろしてくる。
    嫌な夢を見ていた。内容は思い出せない。首を振って起き上がり、水を一口飲んで歩き出した。
    周囲の墨色が質量をもってのしかかってくる錯覚を覚えた。曖昧な夢の続きに立っている気がして落ち着かない。とにかくひらけた場所へ行きたかった。
    月明かりをたよりに愛用の銃だけ持って歩き続け、野原に辿り着いた。
    そこが夕方と同じ場所だと、とっさにはわからなかった。視界を焼く斜光は鳴りを潜め、かわりに巨大な月が覗いていた。温度のないやわらかな光に一切の色を奪われ、周辺は白く変貌していた。薄の陰影が幾重にも重なり、それが実際以上の途方もない奥行きを感じさせる。
    呆けたように見つめていると、背後の茂みががさがさと音を立てた。
    夢の続きだ。息を呑んだとき、慌ただしい動作で茂みから野鳥が飛び立った。
    急に頭が冷えた。まとわりついていた気配が消え、ただ荒涼とした現実の只中に佇んでいた。
    夜風が吹き抜ける。ジャンゴは踵を返した。
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    Tonya

    TRAININGお題「神のハゲ」
    ボクタイ ジャンゴ
    大変なことをしてしまった。
     ジャンゴは頭を抱えていた。
     窓の外はしとしと雨が降っている。おてんこは籠に入って眠り込んでいた。はみ出たひまわりに似た頭部は不自然につるりとしている。てっぺんの花びら型のパーツが一枚、欠けているためだ。
     欠けたものはどこへいったかというと、ジャンゴの手の中にあった。
     痛ましい相棒の姿にジャンゴは再び視線を下げた。
     おてんこさまを毟ってしまった!
     故意ではない。不慮の事故である。
     なぜこんなことが起きたのか。
     遡ること数十分前。

     最近は雨続きで、今日も細い糸のような雫が街を包んでいた。雨は雨で恩恵がある。リタやマルチェロは結構好きだと言っていた。染み込んだ雨水は大地を潤し、草木の糧となり、やがて空へ帰っていく。自然の循環を感じるらしい。なるほどと思う。
     しかし、ジャンゴは太陽少年である。銃のバッテリーチャージには日光が必要だ。他の武器でも戦えはするが、ソル・デ・バイスのない今、属性攻撃の際にはやはり銃が入用になる。お天気下駄は切らしているし、回復用アイテムでまわすにしても諸々の返済で懐はひと足早く冬を迎えている。太陽スタンドの中身は言わず 4226

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