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    Tonya

    2025.2 再開。お絵描きの習慣化を目指して、しばらく練習記録を投げる予定です。

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    Tonya

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    「goodbye」を訳すと「貴方の帰りを待っています」になりました。
    shindanmaker.com/732889

    APH 蘭菊

    「……妙なことを言うけえの。」
    煙管から口を離し、揺蕩う煙の向こうに男の丸い頭がある。
    「ですから、貴方の帰りを待っています。」
    繰り返して、菊は顔を上げる。帳の落ちかけた室内に白い輪郭がぼんやりと浮かぶ中で、瞳だけが墨を落としたように黒い。
    いや、暗い。
    「ここはおめぇんちげ。」
    だからですよ、と菊は微かに口端を上げる。
    付き合いが長くなるにつれ、国のことだけでなくこの男個人についても色々わかるようなった。
    表情の起伏が少なくとも中身は決してそうでないこと。腹の内や本音を、ひどく婉曲したやり方でしか表に出さぬこと。細やかな所作の様々。
    出会った頃の自分ならばきっと見落としていた。
    まして、勢い盛んなあの男になど。
    「国を開いた以上、もう西洋の流れと無関係ではいられません。」
    遅かれ早かれだったかもしれませんがね。目を細め、しばし口を閉じてからこう聞いた。
    「私は変わるでしょう。それでも、またここへ帰ってくれますか。……わっ!」
    返事の代わりに煙を吹きかければ、菊は袖で覆った顔を背ける。抗議の声を聞き流しながらわしわしと黒髪を荒らす。
    人が真面目に尋ねているというのに…。ぽこぽこ怒る瞳には、もう陰はなかった。
    そうして宵を迎えた日の問答。誤魔化したつもりが、随分経ってからようやく気付く。初めから、彼の本心など少しも見抜けていなかった。
    別れの挨拶はとっくに済んでいたのだ。
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    Tonya

    TRAININGお題「神のハゲ」
    ボクタイ ジャンゴ
    大変なことをしてしまった。
     ジャンゴは頭を抱えていた。
     窓の外はしとしと雨が降っている。おてんこは籠に入って眠り込んでいた。はみ出たひまわりに似た頭部は不自然につるりとしている。てっぺんの花びら型のパーツが一枚、欠けているためだ。
     欠けたものはどこへいったかというと、ジャンゴの手の中にあった。
     痛ましい相棒の姿にジャンゴは再び視線を下げた。
     おてんこさまを毟ってしまった!
     故意ではない。不慮の事故である。
     なぜこんなことが起きたのか。
     遡ること数十分前。

     最近は雨続きで、今日も細い糸のような雫が街を包んでいた。雨は雨で恩恵がある。リタやマルチェロは結構好きだと言っていた。染み込んだ雨水は大地を潤し、草木の糧となり、やがて空へ帰っていく。自然の循環を感じるらしい。なるほどと思う。
     しかし、ジャンゴは太陽少年である。銃のバッテリーチャージには日光が必要だ。他の武器でも戦えはするが、ソル・デ・バイスのない今、属性攻撃の際にはやはり銃が入用になる。お天気下駄は切らしているし、回復用アイテムでまわすにしても諸々の返済で懐はひと足早く冬を迎えている。太陽スタンドの中身は言わず 4226