「弥生先輩、これに目を通しておいてもらえますか?」
「はいはい、その後は会長に渡しておけば?」
「お願いします!」
後輩の役員は「助かります」とお礼を付け足すと、用があったのか足早に生徒会室を去っていった。
「うーん、これなら明日でも大丈夫かな」
生徒会の副会長、というのも慣れたもので、気が付けば高校生最後の年になっていた。
パラパラと書類に目を通した後、席を立つ。ドアを閉め、生徒会室に鍵を掛けたその時。
「お疲れ様? 生徒会副会長?」
「始」
少し揶揄うような声色で声を掛けられる。まぁ、その呼び方がすでに揶揄ってるそれなわけだが。
「生徒会長に望まれていた始は俺に何かご用でも?」
「はは、悪かったからそう拗ねるな」
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