クランの猛犬 クー・フーリンは部族の総体の名前で、ある年若いクー・フーリン(ランサー)がクー・フーリンの村に住んでいた。野生そのままのような生活で、狩りをして暮らしを立てていた。
ランサーはある日外部の人間アーチャーと出会う。クー・フーリンは外部の者と関わらず、クー・フーリン同士でだけその武を磨いてきた。アーチャーは名の通り弓の名手で、あらゆる武芸に精通するクー・フーリンと言えどランサーでも弓では敵わない腕前だった。
アーチャーとランサーは互いに気のおけない仲となったが、それも長くは続かず、国で戦が起きるという。
帝国軍の軍の通り道にクー・フーリンの村がああると知ったランサーは、アーチャーにも黙って、進軍を止めるため単身出て行ってしまう。
クー・フーリンたちの中で最高の戦装束である第2臨の姿になったランサーは、剛の弓と朱槍を持って出て行った。
本気になったクー・フーリンは、進軍を止めるどころか軍の最高幹部にまでなり、村の壊滅は免れたが、とうとう村に帰ることはなかった。
アーチャーは残されたクー・フーリンたちの更に年若いクー・フーリンに弓を教えて過ごしたが、待てど暮らせどランサーは戻らない。
ランサーは闇落ちしてタニキとなり、帝国軍の狗と異名を取る存在となっていた。