ブーケトスそれは早乙女学園時代の友人の結婚式帰りのことだった。
彼は珍しくも数少ない那月との共有の友人で。共にスケジュールを調整して参加した事もあって新郎新婦に向けられるよりもこちらにカメラが向けられていることが多くて、なんだかごめんと何度も新郎と目が合うたび手を合わせ。
二次会にも参加予定だったが、流石にこれ以上晴れの日の邪魔はしたくないと、急遽キャンセルさせてもらった。
「ドタキャンはダメですよー」
「って、おまえもじゃねーか」
帰路で掛けられた声。振り向きもせずに答えれば、ととっとヒールの鳴る音がして隣に那月が並び出す
「みんな僕らの事を見ちゃうから」
「だな。嫁さん見てやって欲しいよなぁ……また改めて謝罪と祝いと両方しとくか」
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