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「あんた、若い子なのに仕事が早くてたすかるわ」
「ありがとうございます。・・・片付けだけが取り柄ですので」
「そうかい。あんた別嬪だから、“あんなモノ”のお付きなんてもったいないとおもうけどねぇ」
「・・・・ありがとうございます」
「じゃあいくわね、智里ちゃん。廊下のお掃除お願いしますね」
ちさと。
それがここでの私の名前。本当の読み方は“センリ”だが、小さい頃からかわれてから名乗るのをやめてしまった。
ここは禪院家のお屋敷。大勢の使用人が働いていて、私のその使用人の一人。
先ほどの人は先輩の原さんで、使用人の中でも年も立場も上だ。
禪院家のヒトらしい、非術師は人に非ずという考え方のヒト。
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