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    晴明と道満は関係を持っていない
    モブ陰陽師?が道満に片想いしてる話

    平安時代のことよく知らない無知アホ人間が書いたラフ

    宮中で接する機会・町での道満を見る機会もあるモブ
    宮中での作り笑いのように張り付いた笑顔と、宮中の人間達の根も葉もないものの悪く噂される道満にはあまり近寄らないようにしていたものの頭のどこかで同情の気持ちを持っていた。
    そんな中、町に用事があったモブは人々と交流する道満をみかける。
    宮中で見せるような貼り付けた笑顔は無く、おそらく依頼人であろう人間から籠いっぱいに詰まった野菜を押し付けられ、困惑した顔で受け取っていた
    「お礼といえど、これほどの量を頂くわけには…」
    「こんなものしか無いですが、どうか受け取ってもらいたく!」
    「法師様いつもありがとうー!」
    「ン…ンン…ではありがたく頂きまする」
    困ったように、しかし嬉しそうに優しく微笑む道満は何よりも美しく見えた
    その日からモブは道満を目で追ってしまうようになり、ある時仕事でミスをしてしまった。
    上司に強く叱責されている中、大きな影が目に映る。
    「失礼致しまする、少々よろしいですかな」
    蘆屋道満だった。上司は軽蔑した目で道満を見る。
    「廊下まで声が響き渡っております、お声を少し…」
    「それはすまないな、いやはや、法師陰陽師に咎められてしまうとは。失敬、失敬、私も気をつけなければ。歩いているだけで大きな影ができてしまうのも苦労ものよな。私は抑えられるからよいのだが」
    「…」
    道満は無言で笑顔を浮かべる
    「廊下を通っているところお耳に挟んでしまったのですが、モブ殿が過ちを犯したのだとか。よろしければ拙僧が埋め合わせを致しましょう」
    「仕事熱心でマメなことよの、まあ良いわ。出来るのならやっておけ。」
    モブがミスをしてしまったものを道満に渡すと上司はその場を去った
    「あ、蘆屋殿…」
    「良いのですよ、さて…」
    そう言って巻物を持って作業に向かおうとする道満を止めた
    「蘆屋殿、なぜ私のようなものを助けられたので」
    「そう言う気分だったのです」
    いつもの作り笑いを浮かべて道満は去っていった
    次の日の夜モブは道満の家を訪れた
    「どうなされたので?」
    「先日のお礼をしたく」
    「気になさる必要など」
    「気に致します!」
    道満は目を少し見開いた
    「…こんな場所ではなんですから、どうぞあがってください。何もありませんが…」
    「えっと…渡しに来ただけなのですが…」
    「お礼をいただいてしまうのにそのままお帰り頂くのは申し訳ないのです。いえ、拙僧の家に上がりたくなければそれで」
    「いえ!では失礼して…」
    宮中では見ない穏やかな顔をした。
    質素ながらも掃除の行き届いた部屋に視線を彷徨わせた。
    「何も無いでしょう?」
    「ああ、いえ、そう言う意味では無く。掃除が行き届いていてとても繊細な方なのだと…あ、いやえっと」
    何故か顔が赤くなってしまいアワアワしている様子を道満は不思議そうに、くすりと笑う。
    「まあお座りください。今お茶を出します。」
    おずおずと座っているとまも無くお盆に茶を乗せて道満がやってくる
    道満が正面に座ると、道満の顔の美しさに見惚れてしまった。
    「拙僧のようなものが受け取ってよろしいので…」
    「本当に助かったのです、是非受け取っていただきたい。」
    机上に贈り物を差し出し、開いてもらう。
    「甘味ではありませぬか…!このような貴重なもの、拙僧のような身分が頂くわけには」
    「身分など関係ありません。私は貴方に礼を言いたかったのです。形にして差し上げたかった、それだけです。」
    道満は驚きと戸惑いの顔を向ける
    「貴方は勤勉であられ、民を助け、情が深く美しいお方だ。宮中での根も葉も無い噂を散らす貴族共に怯え毎日を過ごす私とは違い、貴方は胸を張っている。その敬意と先日の感謝…尊敬の念もありますが、どうか受け取ってほしいのです」
    道満からは上部の表情が抜け落ち、目を丸くしている。
    その後、視線を落とし歯切れが悪そうに話す
    「せ、拙僧…貴方の思うような善人ではありませぬ、きっと思い違いでしょう」
    「他の人間から見てどう思うのかは知りませんが、私はそう思ったのです」
    「…」
    「わ、私…変なこと言ってしまいましたかね…」
    「…ええ、変です。とても。」
    そう言って陶器のような白い肌を薄く桜色に染め、笑いかける姿は可憐で心臓がドクリと鳴ってしまった。
    「よろしければ一緒に食べませんか?このような甘味、拙僧では勿体なく食べきれそうにありませぬ故」
    そうしてお茶をしている間、道満が助けたのは晴明に術比べで負けた悔しさを紛らわせる為だった事などを聞いた。
    道満の家を出た後、モブは自宅で声にならない声をあげていた。
    あの時見せた慎ましやかな麗しい微笑みが焼き付いて離れない。
    「〜〜〜〜可憐だ….ぅ〜〜…」
    恋に落ちてしまった。

    廊下でモブと道満が鉢合わせ、仲良さげに話しているところを晴明が目にする。
    一人になった道満に晴明が歩み寄った
    「晴明殿」
    「仲良さそうに話していたね」
    「…貴方に関係ないでしょう。拙僧の話し相手も逐一貴方に報告しろとでも」
    「いいや、ただ気になってね。宮中で仲がいい人間なんていなかっただろう」
    「あの方は拙僧が仕事の手伝いをした際にできた仲なのです」
    少し顔が綻んだ道満を見て、晴明は目を細めた。
    「…まあ、お前が少しでも過ごしやすい環境になるのなら良い事だ。術の鍛錬も怠らぬよう」
    そう言って晴明は去っていく
    道満は射殺す目つきで睨んだ
    晴明は道満がモブと話すようになってからモブの動きを観察していた。仕事も普通にこなし、能力も並、家柄が少しあるだけの人間。
    すれ違った時は道満も明らかに優しい顔つきになり、観察対象は嬉しそうに挨拶を交わす。そこが不思議だった。あのような人間であれば道満の噂に惑わされ距離を置くのが普通だろう。道満に対して明らかに好意を持っていた。
    何故道満もあの人間に目をかけているのか。
    その事を考えていると少し気が立った。
    仕事も片付いたので直接聞くことにした。
    「やあモブ殿」
    「へっ?晴明殿!?」
    「いやあはは。最近道満と仲良くしてくれているみたいでね。彼と何かあったのか?」
    「あぁ…蘆屋殿は仕事で支障を起こしてしまった私の事を助けてくださいまして…」
    「ふむ。それがキッカケで」
    「はい。周りの方々は色々と言っておりますが…用事がありまして、町に向かうとそこで人々と交流する蘆屋殿を見てこの方は美しい心を持っているのだとわかりました。私は蘆屋殿に助けられ、尊敬の念を抱いております」
    にこやかに、そして爽やかに微笑む彼に晴明は言葉を投げた。
    「それだけか?」
    「?それだけ…」
    晴明は笑顔を向ける
    「….!え!?そ、それだけです!それ以外に何があると…」
    あたふたと顔を赤くして視線を下げる彼を見て晴明は確信した。
    「そうか、それでは」
    「えっあ、はい…」
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