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    5/29 キャッキャガオガオ2での新刊のサンプルになります
    ジャコさん(マンガ)とK(小説)の合同誌
    チェカレオ花魁パロ本(R18)です

    サンプル部分は全年齢部分でバラバラです

    #チェカレオ
    checaleo

    「おい、チェカ」

     はらりと垂れた髪に行灯の光が透けて、昼のような色を放っている。見たことのない光景にレオナは目を丸くしていた。これだけの期間、ここへ通いつめたレオナであったが、こうして床に寝転がり自分に跨がるチェカを見上げたことはなかった。
     この数年、花魁となったチェカの贔屓になっていたレオナだったが、その実、一度も抱いたことはない。ただ共に寄り添い眠るだけ。その肌すらも晒したことはなく、昔から変わらぬ清い関係のままだった。
     チェカが花魁として甘い言葉を吐き、その飴色の肌を艶めかしく揺らし、性を表に出すところをレオナはただの一度も見てはいなかった。金を積み、この部屋へと上がってくるのにも関わらず、レオナには着物を乱すということが今の今まで一度も出来なかった。
     なぜかと言われたら、その理由はレオナにもはっきりとはわかってはいない。幼い頃から成長を見守ってきたチェカのことが、弟のような子供のような気持ちになっていたのかもしれない。好きでこの場所に身を置いているわけでもないチェカが、その体を汚していくたびに傷付いているのだろうと想像すると、そういう気が起こらないのも納得ができる。
     本来であればこの器量の良さだ。もっと自由に何かを成せたかもしれないのにという同情もあったのかもしれない。かわいそうに。けれど他人であるレオナができることなど限りがあるもので、こうして少しの間でも忘れられたらと何もない時間を与えたかっただけだった。自己満足と取られても仕方がないが、レオナに今できることはこのくらいしかなかったのだ。
     せめて自分の隣にいる時だけは穏やかに笑っていてくれますように、と。

    「レオナさん」

     チェカの指先から落ちた簪が、ぽとんと畳の上で軽い音を立てて転がっている。何度も見たはずなのにチェカの瞳の色が、ほんのりと暗い夜の色を連れてきていた。恐怖はない。けれどこの状況を蹴散らしてでも破ることをせずに、ただチェカの言葉を待ってしまったのは、その瞳がうっすらと膜を張り、いつもとは違う色でこちらを見下ろしていたからだ。子供の頃以来、見ることのなくなっていた何かを堪える顔。そんな顔をさせてしまったのは自分だという思いがレオナの体を硬くし、動けなくしてしまっていた。

    「お願い。何も言わないで」

     ふわりとチェカの髪が揺れた。レオナの視界が太陽の色に染まる。赤く燃える強さと、大地を染める穏やかさを持った色がレオナの顔を包みこみ、そして声を塞がれた。口付けられた唇の甘さと、見詰められたままの瞳の強さにレオナは混乱してしまう。懇願するように優しく何度も唇を落とすくせに、閉じることのない瞳の色は狩りの前の肉食獣のそれだった。
     羽のように軽い唇が固まったレオナの唇を食み、そしてゆっくりと閉ざされた口を開いていく。うっすらと開いたその隙間を熱く濡れた舌がちろと舐めた。氷を溶かすように小さく舌を這わし少しずつ熱を移し、濡れて柔らかくなった奥へと入り込む。ぬちぬちと上がる水音の間を、熱の篭った吐息が絡む。何故、どうしてというレオナの声をも飲み込んで、それぞれの口を移動していく荒くなる呼気は、二人の唇の隙間から抜けていった。

    「んっ……ぅ、んッ」

     厚い舌がぐるりと中を掻き回す。抉じ開けるように綺麗に並んだ小さな白い歯を、一つ一つその形を確かめていく。低く澄んだ声で優しい言葉を紡ぐレオナの咥内を、チェカはゆっくりと舌先でなぞった。つるりとした粘膜に自分の唾液を塗り込むように、歯の付け根も上顎も、舌の裏側も舐めていく。そのたびにレオナの薄い舌はひくんと揺れ逃げ惑い、さらにチェカの舌に絡み濡れていった。狭い咥内で逃げる場所などないのに、ひくつきながら逃げるのを執拗に追い回し、熱を移していく。

    「ぁ…ッ、チェ…カ、なっ」
    「しー……大丈夫。喋ってたら、舌噛んじゃうよ?」

     びくんと跳ねた体のせいで離れてしまった唇から、焦りの篭った声が聞こえた。なんでと言いたかったのだろうその口は赤くぽってりとしていて、上手く言葉を紡げないようだった。幼子のような辿々しい言葉に、チェカはうっそりと笑ってしまう。けれど今は言葉はいらないと、もう一度薄い唇を塞いだ。
     ん、と咥内でくぐもった声が響き、そしてもう一度体が揺れる。チェカの艶やかな指先が、ゆっくりとはだけたレオナの胸元を這い回っていたからだ。筋張った首筋から辿った指先は鎖骨の窪みを撫で上げ、そのまま弾力のある胸へと降りてくる。汗ばんだ肌にほんの少し爪先を引っ掛けながら。
     指の形に合わせてへこむ肌を楽しんで、徐々に中心へと指を滑らせていくと、先程も触れた肌触りの違う先端へと辿り着く。掠めるだけで何度かその形を確かめて、ぎゅっと押し潰しぐりぐりと捏ね回し、そしてそっと指を離す。離れる瞬間、当たった爪先が先端を小さく引っ掻いた。

    「ふっ…ぅ、んっ」

     何度もそれを繰り返すとくすぐったさに体を捩っていたレオナの乳首がつんと硬く勃ちあがり、上を向いてチェカの指に吸い付いていく。上下する指に合わせて形を変える先端をぎゅっと摘み上げると、レオナの口からは熱い吐息が漏れる。苦しそうに顔を上気させるのを見て、ようやくチェカは唇を離した。
     真っ赤に熟れた唇は唾液でぬらぬらと光り、絡み合っていた舌先は名残惜しそうに糸を伸ばしている。細い銀糸は、すぐにぷつんと切れてしまった。

    「ここも気持ちいいの?じゃあもっと良くしてあげる」
    「ちがっ…チェカ、やめ……んぅッ」

     まだ硬さのない片方の胸にチェカは舌を這わせた。唾液に塗れた真っ赤な舌をゆらと動かして、先端を舐め上げる。濡れた先端は光を反射して薄く色付いて、まるで花が綻んだような淡い色を浮かべていった。
     自分がしたことでレオナの体が反応したという事実が何より嬉しくて、レオナの顔を見つめながら何度も硬くした舌先で嬲り、そしてきつく吸い上げる。じゅうと音を立てて小さな乳首を取れてしまうのではと思うほどに吸い上げて、そして咥内で転がした。
     次第にぷっくりと膨らむ先端に軽く歯を立ててぎりと力を込めると、泣きそうな顔でこちらを見てくる。大丈夫、とあやすように、指先でもう片方を殊更優しく擦り上げた。どちらの力も同じにならぬようチェカは気をつけながら両方の胸に触れていると、頭上からの吐息が少しずつ熱を持ち弾み始める。零れる息には小声でチェカの名前を呼ぶ声が、途切れ途切れに混じっていた。

    「……嬉しいな。レオナさんもちゃんと感じてくれて」
    「なッ……おい、なに言って…ッ」
    「だってほら」

     チェカが腰を揺すれば、骨とは違う硬いものが擦れあった。動くたびにごりごりと肌とも着物の生地とも違う感触がレオナを襲う。緩く主張し始めているのを思い知らされ、レオナは顔を赤らめる。けれどチェカが腰の動きを止めることなくゆっくりと擦り合わせ続けている。
     そのどこかもどかしい緩い刺激は、少しずつ腹の奥に熱を溜めていく。もう着物の中の状態などばれてしまっているだろうに、チェカは綺麗な顔で黙って見下ろしていた。何も言わずにただゆるりと腰を動かすその緩い刺激に、レオナは眉を顰めた。じくじくと湧き上がる快楽に思わず体を震わせ、硬く結んだ唇から荒い吐息が漏れる。
     そんなレオナの表情を嬉しそうに眺めるチェカは、指先を胸元から下に下ろしていく。着物の上からゆるりと撫でると、指先を何かが濡らした。生地の下で硬くしているレオナ自身を掴みゆるゆると扱くと、生地が擦れざらざらとした感触がレオナを襲い大きく体を仰け反らせた。

    「こんなに硬くして……気持ちいいって思ってもらえるなんて」
    「んぅ、や……めッ」
    「今だけだから……お願い、僕を拒否しないで」
    「チェカ……」
    「あなたが僕を抱けなくても、僕はあなたが欲しい。一度だけ」

     泣き出しそうな、それでいて意思の固い瞳で見詰めてくる。すぐ間近で震える瞳は涙が薄く膜を張り、湖面のようにゆらゆらと揺れて、そんな滲む色の中に映る自分の顔に、レオナは言葉を詰まらせる。ゆっくりと閉じられた睫毛の先は濡れ、眉はかすかに寄せられている。思わずもう一度チェカの名を呼ぼうとした時、その言葉は乱れ意味をなくし、母音だけとなって零れ落ちた。


    ***


    「え……わっ」

     チェカの乱れた後ろ髪を、レオナは思い切り後ろへと引っ張った。くんと仰け反った顔のおかげで、ようやく視線が絡む。驚いた表情のチェカを、レオナは睨みつけた。真っ赤な顔で息を乱しながらのそれは、決して凄みも何もあったものではなかったが、普段の穏やかなレオナとは違っていて、チェカはその顔に言葉もなく目を丸くする。
     今の今までこんな顔は見たことがなかった。酒を飲んでも静かに微笑むだけのレオナのこんな剣幕、あぁ怒らせてしまった、それも当然かとチェカは一人思う。女を買いにくる場所で、高い金を払って自分が組み敷かれるなんて、考えもしなかっただろうに。本当に愛想を尽かされたかもしれない。自分はそれだけのことをしたのだ。そう思うと今さっきまでの興奮がふっと霞みのように散っていった。

    「いま、なんて……」
    「え?今って……」
    「おまえは俺が、好きでも、ない…ッ、相手に体を明け渡したって……そう思ってるのか」
    「っ、だって……そうでしょう?」

     絞るような声でチェカは言葉を続けた。何年も馴染みとして通ってくれても、一度も手を出されなかったこと。それは男の体の自分には愛情はあっても欲情はしないからで、勃ちもしなければ当然抱けるはずもない。ならばなぜこんなにも良くしてくれたのか。この苦界に生きる自分に、夢を見せるようなことをしたのかと今まで内に秘めていた思いを吐露してしまう。
     言葉にしてしまえばそれを認めてしまったように思えて、胸が苦しくて息の仕方すら忘れて言葉に詰まる。こんなつもりじゃなかった。一夜限りの思い出をもらって、それを糧に生きていければとそう思っていたはずなのに。じわりと涙が浮かび、目の前のレオナの姿さえ滲んでしまう。


    ***


     チェカは赤い紅の引かれた唇を指先でそっと触れた。散々愛を紡ぎ、微笑んで、数々の者を魅了してきたぽってりと艶やかな唇が、ふっと緩む。くるりと振り返りレオナと向かい合ったチェカは、だらしなく足を崩し白い爪先をレオナへと投げ出した。はらりと肌蹴る裾から覗く足はうっすらと白粉がはたかれて、けれど爪の周りだけはほんのりと赤くなってしまっている。冷えた廊下の床の上も、座敷に冬の冷気が入り込もうとも、この足が白い足袋に覆われたところをレオナは一度たりとも見たことはなかった。

    「ねえ、冷たいの」
    「え?」
    「貴方に、あたためてほしい」

     整えられた綺麗な爪先をレオナの視線の高さへと持ち上げた。向かい合って話していた二人の視線の間を形の良い指が遮り、視界から外すことはできない。レオナは腰を上げチェカの足元へと移動すると、傷のない足を掬いあげる。
     冷たい。冷えたその綺麗な足は薄い皮膚の奥に血が通っているのか不安に思わせる色をしていて、レオナはかすかに眉を寄せる。血の気の引いた足先で、くすみのない爪紅の赤が酷く目を引く。指先で擦れば、くすぐったそうにチェカは笑った。壊れ物でも扱うように両手で包み込めば、触れたところから冷えていき、氷のように触れたところがくっついて離れない。
     これだけ冷えているというのにかさついたところもないしっとりとした足先に、レオナは頬を寄せる。久しぶりに触れた肌は、こんなところまでかすかに香の匂いが香っていた。甘い幼さの残る香の後ろ、それでいてどこか獰猛ささえ感じる官能的な香り。長い間、この部屋に焚き染められ、レオナにもうっすらと移り始めた匂いだった。

    「冷たいな」
    「うん」

     触れることに許しを請うように唇を爪先に落とすと、整えられた形のいい爪が揺れた。レオナは固まったままの指一本一本に口付けた。雪解けのように強張る指先が解けていくのを、レオナは目で追いながらもう一度唇を寄せる。爪先に、強張る甲に、何度も口付けていけば、震えたせいで足に絡み付いていたあでやかな着物の裾がはらりと肌蹴ていった。琥珀の肌と謳われた締まった長い足が、惜しげもなく陽光の下に投げ出される。レオナがそのまま唇を少しずつ上へとずらしていくのを、チェカは黙って見つめた。
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