徳州ってなによ覇王別姫ばっかり描いてる。描きやすいから。でもわたしは彼のことを何も知らない。
徳州を描こうとする度にものすごい音で心が折れて完成にこぎつかない。何回描き直しても、全消しして描き直しても納得いくものにならないし、今までぽつぽつ思い出したようにあげてきたものも全部今見るとなんか違う……てか毎回顔違う……となっており…… 顔が違う、は「もはや別人」くらい致命傷、私にとっては。。
純粋に元々のキャラデザがそんなに個性が強いものではない(たとえば覇王別姫と比べたとしてね)ということを差し引いても描けなすぎである。むしろ無個性だけど整ってはいるというパーツを集めると徳州の顔になる気すらする、つらい。難しすぎる。
いうてわたしは絵柄のクセが強いタイプではないのでいつか表現できるかなあと夢見て何度もチャレンジするけど毎回心を折られる。なんなんだおまえは。イケメンだな、くっそ……
キャラクターに似せつつ自分の絵柄を保つ、そのバランスが全く取れない。いつだって徳州の輪郭が曖昧で、白いモヤにしか見えない。どんな顔をしていたか、どんな表情をしていたか、どんな風に表情を動かすのか、すべてが曖昧でぼんやりしている。
とにかくそういうつらさが募りに募ってとうとう涙が出た。こんなに好きなのに表現出来ない。いやデッサンでもしててください若という感じだが推しの顔を描くというのは娯楽ですからね、楽しんでやりたいってヮヶ……
そうやって心折れて散々泣いて虚無るほどに画面の中の徳州扒鶏はより美しく愛おしく見えて、心が壊れる。
そんなこんなで、もしかしたら徳州観が曖昧なままだから上手くいかないのかなとも思って、ものすごい個人的な思い込みと先入観だけで構成された徳州観をまとめておきたくなった。
符との対比で語るのがやりやすいのかな。
符はいつも「徳州は元々俺より優れたやつ」と言うけど、私はそうは思わないんですね。若がどう思ってるかは知らないけど。。
徳州の個性、特技、特性が彼の生きてきた、また現在生きている社会の中で他人に評価されやすいものが揃っていたにすぎないとすら思える。科学的、論理的な彼の冷静な思考癖はわかりやすく仕事においては評価されやすいものだし、気分に左右されず毎日コンスタントに同じ努力を繰り返せるというのも才能だし、身だしなみにおいても上品で紳士的なものを選択する。いわゆる優等生的と呼ばれがちなそういう特性は評価の対象になりやすい。符の持つ優れた直感、音楽に長けているなどの感性的な特性はどうしても「わかりやすく」はないし、人によって評価にバラツキがでやすいものだと思うんだよね。
徳州はいつもものすごい努力をしている(しかもがむしゃらなものではなくきちんと分析、計算してそれを行う)し、符よりもずっと長く生きてる。そういう「評価のされやすさ」「生きてきた年月の違い」「徳州は質の高い努力家である」という三つの要素があるにすぎなくて、徳州は元々符より優れている完璧超人である……という符の思い込みはなんというか、そんなに徳州が神さまのように見えてるなら符はまだまだ精神的に徳州の庇護下にあるんだなとしみじみ思う。
つまり、徳州は完璧じゃない。
仕事面においてはたしかに完璧超人に見える。いつも正しいことを言っているように見えるし、権威的だね。けれど彼の欠点は人の気持ちが分からない、無視しがちというところ。これは欠点(と言うと語弊があるけど)としてはかなり大きいとこだと思う。論理的、倫理的には正しいことを言ってるけど相手の気持ちを考えてない。たぶん、感情というのは徳州の中で優先順位が低いんだろう、科学的、倫理的、論理的な正しさこそが彼の信仰対象で、感情はむしろ抑え込むべきものなんだと思う。いっそこの世の全てが機械のようにすべて規則通りに動けばいいのにとすら言っている。感情さえも。
そうやって無理矢理抑え込んでるから、本人にも対処しきれないほど感情が溜まっていく。「感情が溜まる」という言い回しは言い得て妙だと感じる、ストレスが溜まってるとか、打ち明けたい気持ちがあるとかではなく、感情が溜まっている。すごく徳州的な言い方だなと。。
人の気持ちを無視しがち、そんな徳州だから符のえげつない暴言も感情的には言い返さずに、その場では傷つくけどもあくまで冷静に威厳を持って対処できる。符の棘のありすぎる発言に込められた根深いコンプレックスやネガティブな感情に気づかないから。わからないけども目の前の弟はどうやらかなり徳州にイライラしていてものすごく無礼な態度で反抗してくる。その理由がわからないから話し合えずに暴力で黙らせてしまう。ここが徳州の危険なところだね。
仕事においては完璧超人、輝かしい業績を次々と残していくエリート。その代わりに上記の理由で家庭が終わっているタイプのひとなんじゃないかと勝手に思っている。
一応家族という体裁は保てているし、徳州も自分の家庭には問題は無いと思い込んでる。でも弟は徳州に対してあの通りで……そして徳州はどうして家族が自分たちの家族関係にネガティブな感情を持ってるのか理解できない、わからない。徳州にできるのは家長(兄)という立場と権威を利用して理詰めで家族を支配するだけ。それでうまくいってると徳州は思ってしまう。
そういうのがわたしの基本的な徳州観だった。声優さんの演技も相まって余計そう見える。旧社会の男性なんだなって。傷つかない、繊細の対極にいるひとなんだなって。
でもよくよく考えると彼は感情を溜めてしまってるんだよね。自分ではどうしようもないくらい、どうしたらいいのかわからないくらい。感情の処理が苦手な人なのかも。
たぶん無意識の領域で彼は符とギクシャクするたびに深く傷ついていて、もしかしたら論理と暴力で弟を抑えつけるたびに、本当に無意識の深いところで徳州自身も傷ついてるのかもしれないなってさっき気づいたというか……本人に自覚はなさそうだけど本当は符に向けられた棘も無視できないし、その痛みも溜め込んでしまうし、ちゃんと傷つくひとなんだなと、、、
なんというか、抑圧された繊細さをもってるひとだなと……
2章で符に銃口を向けてしまったけど、あの中に込められた弾薬と同じくらいの凝縮された痛みを無意識の中に持ってるのかもしれない。あのシーンの徳州は無意識で動いてるように見える。今まで符に与えられた痛みを、押し殺して無視してきた積もりに積もった傷を、あそこで銃に込めて符に向けてしまったのかもしれない。そういう見方もあるやんな……(あるのか。。??)
「弟に銃を向けた」という鑑賞者サイドからすれば一目瞭然の大罪があそこで成立してしまうのでほぼ徳州が悪いのではと思ってしまいがちだが符の因果応報でもあるのかなと……(原文だと徳州に向かって自業自得という意味のある言葉を符が言うが、そう解釈すると盛大なブーメランである)やはり喧嘩両成敗というやつかもしれん。
ものすごい尻滅裂、やば
なんか根っこは繊細で符にピヨピヨ反抗される度に実は傷ついてるお兄ちゃんもいるのかも?!と思うと涙と勃起がとまらない。見た目通りの繊細色白美青年になってしまう。そんなのは好きすぎてこちらの心が壊れる。
そして符は感覚的に聡い子なので徳州が実は傷ついてることに気づいてる。徳州が傷つく言葉を的確に、瞬間的に選んで発射できる。符、恐ろしい子……!!愛していいか。これからも兄を言葉のサンドバッグにしてくれ、お前にしかできないんだ。頼むぜ、符。