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    kagamineclub

    @kagamineclub
    祭音みにすと申します。
    未熟者な絵描き字書きですが、練習に付き合って頂けたら嬉しいです(*´˘`*)

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    診断メーカーのお題で書いて!とリクエストが来たので 書いてみました:( ;´꒳`;):1hで書いたのでクオリティ低めなので供養という事で、、、

    オレは類に恋をしていた。だがこの想いは知られてはいけないものだと思っていた。

     高校を卒業して、お互いに別々の道へと進んだ。
    あれから3年……ほとんど連絡もしないままオレは役者として、類は演出家として多忙な日々を送っていた。
    時には同じ舞台に関わる事もあったが、仕事以外の話はしなかった。呼び方も『天馬君』『神代さん』だ。
     呼ぶ度に心にトゲが刺さっているみたいにズキズキと痛む。
    オレはまだ、お前の事を引きずっているようだ。

     今出演している舞台の千秋楽を終えて関わった人達と打ち上げに行く事になり、今まであまり顔を出す事が無かった類も今回は参加するのだと知り、オレも行く事にした。
     久しぶりのお酒に少し酔ってしまって頭がふらふらしてきた。

     「おーっ! 天馬君、グラスが空じゃないか! まだいけるだろ? 今回もいい演技だったよー!」

    プロデューサーに勧められるままグラスを差し出し「ありがとうございます」と伝えながら注がれたビールを飲み干した所で背後からグラスを取り上げられる。

    「保田さんすみません。天馬君少し飲みすぎた様なのでそろそろ勘弁してやって下さるとありがたいです」

    類がプロデューサーに柔らかな笑顔で告げると

    「お? …おおっ、そうか。じゃーこれくらいで止めておこうか。天馬君! 次も期待してるぞ!」

     そう言い残して別の演者の方へ向かうプロデューサーを見送った後類を見ると少し呆れたような顔をしてため息をつかれる。

    「君はお酒にあまり強くはないのだから、無理に付き合う必要はないんだよ?断る事も覚えてくれないかい?」

     う…最もな意見だ…目の前にいる類に眉を八の字にさせて「すまん…」とだけ言う。
     こいつは…いつもこうやってさり気なく助け舟を出してくるんだ…ああ…オレはまだお前が…どうしようもなく好きだ。

     少し飲み過ぎたから先に帰らせてもらうとスタッフに告げ店を出る。
    類はオレを1人で帰すのは心配だからと一緒に帰る事になった。
     夜風が少し肌寒く、だが酔った身体には心地良い。

    「少し散歩でもしないかい?」

     類はボソリと告げるとオレの少し前を歩いていく。
    久しぶりの仕事以外での類との時間に嬉しくなって「ああ」と返事をし、ついて行く。
    暫く黙ったままついて行くとビル街に挟まれた小さな公園に着いた。

    小さなベンチに2人で腰掛けると、類が話し始める。

    「ねえ、司君。お互いに夢を実現させて僕は演出家に、君は誰よりも輝くスターになったね。
    君と一緒に仕事が出来て嬉しいよ。
    ………君は知らなかったと思うけど、僕はね…ずっと前から君の事が好きだったんだ。とても…愛していた」

    ………は?………

    「……どうして……」

     思わず声を洩らした。
    なんで…なぜ今言ってしまうのか……
    オレは今までずっと言わずに…言えずに来たというのに…言ってはならない言葉だと思っていたのに。
    どうして今更っ……!

    「君の僕に対する気持ちは分かってたんだ。でもあの頃は君に気持ちを伝える資格など、僕には無いと思っていた。君の全てを奪ってしまうかもしれない選択を選ぶ事が出来なかった」
    「随分遠回りをして来たけど、僕は…今も君の事を愛しているんだ。
    司君…僕達これから始める事は出来ないかい?…」

    「オレは…………」

    ゴウッとビル風が公園を通り抜け、言葉はかき消される。

    オレの答えは………風と共に運ばれていった。
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