オレの を消し去るのは。「それじゃ司、また後でな!」
「ああ!」
手を振るクラスメイトに答えるように手を振りつつ、歩き始める。
ふと、視界の端に見慣れた紫色が目に入る。
楽しそうなその姿に、思わずため息が溢れた。
今、オレ達は修学旅行に来ている。
類とはクラスが離れているから当然の如く同じ班にはならなかったが、類は類で楽しんでいるようだ。
……類は、幼い頃夢見ていたショーを実現してから、少し変わった。いい意味で。
昔の思い出を吹っ切ることができたからか、前よりずっと、明るくなった気がする。
その変化に気づいたのは、オレだけではない。
その証拠に、類は前よりも同じクラスの奴に話しかけられることが増えたらしい。
フェニランの宣伝大使をしているからだろうね、と本人は言っていたが。
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