「 ……目標額、あとちょっっとなのに、貯まんないねぇ、千空ちゃん…… 」
「 あ"〜……他、なんかねぇのかメンタリスト 」
「 ん〜……考えてるんだけどさあ〜…… 」
薄暗い部屋で、額を突き合わせるくらいの距離で二人は疲れたようにつぶやいて。
そこでぷつんと何かが切れた。
ふと、部屋の奥から秘めやかな声が響いて、銀狼は足を止めた。
ここは、千空とゲンの部屋のはずだが、こんな深夜にまた二人でなにか悪巧みでもしているのだろうか。
二人の密談の内容が気になって、耳をそばだてる。
「 ……ッあっ!……おれ、もう……無理……ッ!」
「 あ"ぁ?無理なわけあるか。……テメーなら、まだまだ余裕あんだろうが」
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