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    chiocioya18

    @chiocioya18

    20↑ と〜〜っても腐ってます逃げてください
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    chiocioya18

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    タケ漣です。まわりが見えてなかったのはどっちって話。
    いつもよりちゃんと恋人してるかもしれないです。解釈違いだったら逃げてください。

    #タケ漣
    rippleOnBamboo

    レッスンスタジオのロッカールームは狭い。レッスンルームが広い分、面積を削ってしまったのだろうか。並び立つ背の高いロッカーには圧迫感を覚えるくらいだ。
    俺でこうなんだから、円城寺さんなんてもっと窮屈なんだろうな。ダンスレッスンのため三人で待ち合わせてスタジオに合流したけれど、着替える前に円城寺さんはプロデューサーに呼ばれ「先に着替えててくれ」と言い残して行ったから、今はコイツと二人きりだ。距離が近いのは、ロッカールームが狭いから、仕方がない。

    「…なんか、匂いする。チビから」
    「え?」
    「花...じゃねえな。葉っぱみたいな匂い」

    着替えの途中、不意に話を振られて反応が遅れた。その隙をつくように腕が伸びてきて、俺の頭から何かをつまみ上げる。くん、と鼻をひくつかせ「これか」と頷くと、そのまま首を傾げられた。

    「嗅いだことある気がすんな。なんだこれ」
    「…ああ。お茶っ葉だ、多分」

    来る前に事務所に寄った際、けんさんがお茶を入れようとしてつまづいて手にしていた茶筒が飛んでいき、辺りにお茶っ葉が舞うという事件があった。掃除を手伝いながらはたいて落としてきたつもりだったが、髪にまだ付いていたのだろう。よくそんな小さな欠片を目ざとく見つけたものだ。コイツは動物並に鼻や目がきく時がある。

    「そんくらい避けろよ。ダセーな」
    「紙吹雪みたいだったんだ。全部避けるのは難しい」

    ムッとして言い返せばコイツはケラケラと笑う。「もういっこ、あった」ってまた手が伸びて、つんと毛束を引っ張られた。世話を焼かれているようで妙に気恥ずかしい。落ち着かず彷徨わせた視線の先にコイツの生白い鎖骨が飛び込んできて、思わず息を飲んだ。

    「……チビ? 今、なんか言って…」

    コイツは耳もいい。から、俺の動揺もすぐに伝わってしまう。浮き出た鎖骨に指を添わすとその身体がびくりとたじろいだ。そのまま手を滑らせれば「ぅあ、」と小さく鳴いてその場でたたらを踏む。その分、俺が踏み込んだから、ロッカーの壁にコイツを追い詰めた形になった。
    鼻も目も、耳も、肌も。今コイツの感覚が全部俺に向けられているんだと思ったら、ほの暗い陶酔が腹の奥から込み上げてくる。支配感とでも言うんだろうか。
    五感なら、あとひとつだな。俺は少しだけ背伸びしてコイツの唇を奪った。引き結ばれていた口は舌でなぞれば容易に緩んだから、遠慮なくキスを深くする。唾液の味なんてものがあるのか俺にはわからないけれど、コイツの味覚も──コイツの五感全てを、征服している状況にゾクリと脳が痺れる感じがした。一旦唇を離すと互いの舌先を繋ぐ粘液の糸がぷつりと途切れる。熱情に侵されるまま、閉め切っていないジャージのファスナーから覗く白い胸板に口づけようとして───ゴツ、と脳天に拳が落とされた。

    「......こんなとこでサカってんじゃねえ。バァーカ」

    潤んだ目では迫力こそなかったが、手加減されていてもまあまあ痛い一撃は俺を正気に戻すには充分だった。ここは共用のロッカールームで、これから俺たちはダンスレッスンで。コイツが止めてくれなかったらと思うと肝が冷える。完全に俺に非があるので素直に「わるかった...」と謝ったら、コイツはフン、と鼻を鳴らしてファスナーをしっかり上まで閉め直した。そして出入口の方へ向き直ると、

    「おい、らーめん屋ァ! いつまでコソコソしてやがる!」
    「えっ」

    声をかけた先、扉がゆっくりと開けられて、大きな体がおずおずとこちらを覗き込む。気まずそうな苦笑を浮かべた円城寺さんの姿にぐらりとめまいを覚えた。

    「円城寺さん......。もしかして、見えてたか...?」
    「いやいや!! ちょっと入るのをためらってただけで、全然見てないぞ!全然!」

    言葉よりも態度が正直すぎて俺は何も言えなくなってしまう。円城寺さんの気配にしっかり気づいていたらしいコイツは俺の横をするりと通り過ぎざま、

    「あとで」

    と三音だけ告げて髪を翻し部屋を出ていった。
    ──そんなこと言われてしまったら。これからレッスンだというのに、すでに耳にこびりついて集中できるわけがない。なんてことしてくれるんだ。
    狭い室内に並ぶロッカーにもたれかかる。円城寺さんが心配そうな声をかけてくれたが、大した返事はできなかった。無機質な戸板はひやりと冷たいが、俺の顔の熱を冷ますには力不足だった。


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