「九条くんって、ガード堅いよね」
てかてかした肌をはくはくと動かしながら、てかてかしたケータリングの唐揚げを持って、プロデューサーが笑う。言いたいだけ言ったプロデューサーは持っていた唐揚げに食らいついた。衣の脂がくちびるにべったりと付いて、ついに唇までてかてかと光を放ち始める。
没理由:プロデューサーがキモかった
「天って意外と顔に出るよな」
最悪だ。ピロートークで切り出す話題として不適切である。セックスのフィードバックなんて求めていない。それを聞いてボクはどうしたらいいんだろう。改善したらいいの? それとも、このまま伸ばしていけばいい? 意見を真摯に受け止め、今後のサービス改善に活かしてまいります?
「頭を撫でてる時とか、気持ちよさそうな顔するんだよ。喜んでくれてるんだなってわかってすげえ興奮する」
具体的すぎる。理想の消費者だ。ボクが生産者だったらこういうお客様を大事にしたい。……ボクが生産者だったら。
「しばらく顔見るの禁止ね」
「は? なんでだよ。可愛くて良いっつってんだよ」
「それでボクが喜ぶとでも? 抱かれたい男が聞いて呆れるよ」
でもボクは生産者じゃないし、楽は消費者じゃない。ボクたちはもっと密接な関係だ。確かに楽はボクを消費する立場だけど、それを言うのはちょっと悪趣味すぎるし、それで言うとボクも楽を消費している。
没理由:最悪な下ネタすぎる