SCP-1999 妖精王オベロンアイテム番号:SCP-1999
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-1999は標準的な人型収容施設に収容してください。収容室には三重の電子ロックをかけ、レベル3以上の職員の許可がないかぎりは完全に施錠した状態を常に保ってください。収容室の出入口には警備員を配置し、交代で24時間体制の監視を行ってください。
収容室内には成人男性用のシングルベット、机、椅子、本棚等の一般的な木製の家具及び生活用品を設置することが許可されています。SCP-1999が新たな備品の追加を申し出た場合は、担当職員の許可を得た上で適宜追加してください。
SCP-1999の生命維持活動において食物の摂取は必要ありませんが、SCP-1999が食事を申し出た場合もまた、担当職員の許可を得た上で一般的な人間と同様の食事を娯楽として提供してください。
SCP-1999が後述するSCP-1999-2個体を発生させた場合は、収容室内での観察を適宜行ってください。SCP-1999-2は基本的に無害ですが、有害な個体が出現した場合はただちに機動部隊A-03『妖精騎士』を出動させ、これを無力化してください。(1)
SCP-1999には月に一度、担当職員によるインタビューを行ってください。また、SCP-1999から対話の申し出があった場合も、担当職員の許可を得た上で積極的に応じてください。
説明:SCP-1999は人型実体です。
体長174cm、体重56kg、銀髪碧眼の痩せ型の白人男性の外見をしており、主言語はイギリス英語です。外見年齢は15~20歳程度に見えますが、正確な年齢は不詳です。二種の衣服を状況によって換装することが確認されており、その他の衣服はこちらが提供したものも含めて全ての着衣を拒否しています。理由については明らかにされていません。
SCP-1999の肩甲骨の内側付近からは、全長1.2m~1.5mの巨大な羽が生えています。羽の形状はアゲハチョウのものに類似していますが、その紋様は自然界に存在するどの種とも一致しません。SCP-1999の行動や感情に応じて羽ばたく姿が確認されていることから、羽はSCP-1999の身体の一部であると推測されます。身体との結合部や構造についての解明は、SCP-1999が衣服の着脱を強く拒否しているために進んでいません。この羽は、SCP-1999が青を基調とした衣服を装着しているときに見られます。
一方、白を基調とした衣服を装着している場合には、前述の羽は見られません。後述のインタビューを踏まえると、SCP-1999が肩に羽織っている外套が羽の役割を引き継いでいるとの推測が現時点では濃厚です。詳細はインタビューログを参照してください。また、どちらの服装においても黄色に発光する♢型を輪にした王冠を頭頂部に装着しています。
SCP-1999は自らを「妖精王オベロン」と呼称しています。SCP-1999は前術の名称を「お気に入り」だと発言しており、識別番号で呼称されることを嫌う傾向にあります。このため、SCP-1999を「オベロン」と呼称することについては担当職員の許可を得る必要はありません。
SCP-1999は人類に対して友好的な態度を有しており、財団にも対話による積極的な情報提供行うなど非常に強力的です。後述するSCP-199-2個体群やSCP-1999-3が存在するにも関わらず、SCP-1999が自ら収容違反またはそれに類する行動を取った事例はありません。SCP-1999の気性は常に穏やかであり、激高や悲嘆といった過度な感情を露出する様子は現時点では確認されていません。
(1)現在までに出現したSCP-1999-2個体群はいずれも無害かつ無力です。