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    rara_wcat

    SS進捗や二次短歌の下書きのスクショなどの置き場。絵は殆どないし下手絵だけです。

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    rara_wcat

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    ワンライ。現パロやや近未来
    イーガ商社(悪者要素皆無)で働く平社員アス君がごみ捨て場でたまたま黒玉ちゃん(触手有りかつ怨念無し)を拾った事でシーカー族の研究所にお世話になったり社長に一目置かれたりラジバンダリな世界
    いつもは研究所預かられてる黒玉ちゃんの強い希望で久しぶりに二人で出かけた設定です
    黒玉ちゃんケーキ普通に食ってるしアス君黒玉ちゃんにタメ口だし色々とめちゃくちゃです。

    ##SS

    遅刻とケーキと黒いからくり[黒玉アス]「ピポー♪」
     黒いからくりは持ってこられたケーキを前に上機嫌な音を鳴らす。先程まで必要ないと固辞していたのが嘘のようだ。
    「ピーピ」
     黒からくりは一本の脚で器用にデザート用のフォークを握り、少しずつショートケーキを崩しにかかる。
     フォークで崩されたケーキの欠片達は、一つ目の下からかぱりと開いた開口部の中に次々と放り込まれていく。
     たまにその周りについてしまったクリームを内部から出てきた触手が舌のように舐めとっていた。
    「――」
     個室を選んで良かったとアストルは心底思う。
     こんなの一般人に見られたら卒倒されるし下手したら警察を呼ばれてしまうかもしれない。
     似たような小型の歩行ロボットが一般人向けに売られるようになった昨今、連れ歩く者は増えたがケーキを食べるロボットなど前代未聞だ。
     こちらが待ち合わせに遅刻した埋め合わせとはいえ、咄嗟の判断で個室有りのカフェに入ったのは英断だったとアストルは安堵の息を吐く。
    「ポポー」
    「どうした? ここのケーキは高いから追加注文は許可できないからな」
     アストルの苦労を知ってか知らずか、黒いからくりが彼を明るい電子音で呼びかける。
     その脚にはケーキの最後の一欠片が乗ったフォークが握られていて、それをテーブルの向かいにいるアストルの顔に近づけてきた。
    「これを私に食べろと…?」
    「ポ〜」
     これはきっと、俗にカップルがよくやるあ〜んというやつだ。
    「どこでそんな事を覚えたんだ……」
     アストルは今度は頭を抱えた。
     誰の入れ知恵かなんとなく分かって主犯であろう女研究員のしたり顔が頭に浮かんで不愉快な気分になる。
    「ピピー!ポーポピ!」
     今回の遅刻もこれで許してやると黒からくりは音を荒げる。気にしていないと言っていたのは何だったのか。このからくりの考えてる事がたまに分からなくなる。
    「はぁ…仕方ない」
     遅刻した事実は変わらない。
     ここは個室だし、人に見られることもない。
    「それで許してもらえるなら…」
     アストルが突き出されたフォークに乗ったケーキの欠片をパクリと頬張ると、黒いからくりはまた嬉しそうにピポピポと電子音を鳴らしていた。
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    Sasame

    DONE細雪んとこの獠香ちゃんさんは『浮気性』をお題に、140字でSSを書いてください。
    #shindanmaker


    原作以上の獠香ちゃん
    「香ちゃんってば、浮気性だったのね」
     あたしが持つスマホを覗き見した後、獠ちゃん悲しい……と、泣き真似をする獠に冷たい視線を向ける。
    「何言ってんの?」
    「おまぁこの前、新宿駅でナンパされてついて行こうとしてだろ?」
    「あれはナンパじゃなくて、ただ道を聞かれただけよ!」
     はぁ、と獠は息を溢して「とにかく今後男に道案内するな」と言われた。
    「あのね獠、あたしが浮気性なら今頃ここに居ないわよ!」
    「はぁ? それどう言う意味だよ?」
    「あたしが獠以外の人に興味がないから今でもここに居るんでしょ!」
     もう少しあたしを大事にしろ! と獠に向かって手元にあったクッションを投げたけど、簡単に受け止められた。
    「言ったな、じゃあお望み通りに」
     にやり、と獠が笑う。
    「えっ?」と声が出ると同時に獠の腕の中に閉じ込められた。
    「今からたぁぷり分からせてやるよ」と今度は肩に担がれ向かった先は獠の部屋。
    「ちょっ! 離してよ! 獠!!」
    「だぁめ! 香が浮気しようなんて考えないようにしないとな!」
     必死の抵抗も虚しく、翌朝、獠のベッドの上で「10%しかなかったのに……」と呟くと獠はそれさえも駄目だと 552