濡れた夜桜。オベぐだ♀健全
桜の話。
寝る前のおしゃべりの時間に【雨に濡れた夜桜を見るのが好きだ】なんて言ったら「雨に打たれて無残に散った桜と自分と重ねて見てるわけ?桜に失礼じゃない?」と、予想通りの返事がきたあたりで自分の中のオベロンの解像度もなかなかだな、と思った。
「そう思われるのも腹立つ〜」
妖精眼でその思考も視たオベロンはにこにこと笑っているが、いつもの嫌味のこもった上辺だけの笑みだ。リツカは困った様に笑い返すとその理由を話し始めた。
「雨が降ってたら、誰も桜を観に来ないから桜を独り占めできるし、夜の中でライトアップされた淡いピンクって綺麗だなって思ったの」
「まあ、自分も濡れるのがわかっててわざわざ見に行く馬鹿はいないよね…。あ、ここに居たか〜!」
1919