黑限のどきどき!結婚式 〜迎亲篇〜ー
「…で、なんで仕事着着させられてるの?俺」
ぴったりとした黒のハイネック・ウェアと、同じ色の下履きを身に纏った小黒はそう言って、正面に立つ二人にジト目を向けた。
「当たり前でしょ?小黒はこれから試練を受けるんだから」
強気な眉毛はそのままに、流麗な瞳を返してまずその内の一人── 山新が言った。
「うんうん。礼服が汚れちゃったら大変だもん!」
その隣に立つ紛紅色の髪をした少女── に見えるが、立派な成人である── 小白も、それに同意する。
「…で、何すればいーの」
「うん。それじゃあまず珠穆朗玛峰に登ってもらいます」
「待って」
「山新たちはどーやって行くのさ!?」
「藍玉盤」
当たり前のように藍玉盤を取り出す山新
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