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    badger_0107

    @badger_0107

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    LXH師弟沼/黑限/黑限/捏造成長弟子/捏造設定ゴリゴリ/相手・左右・性別完全固定
    pixiv>https://www.pixiv.net/users/16277663
    マシュマロ>https://marshmallow-qa.com/badger_0107

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    badger_0107

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    10/10「黒猫邁進」で発行の新刊「嘘 [ xū ]」の書き下ろし(2)の サンプルです。
    詳細>
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15912010

    ■本編後日談のため、本編のネタバレを含みます)
    ※縦書き原稿から抜粋のため、数字が漢数字になっています

    #黑限
    blackLimit
    #黒限
    blackLichen

    番外編:無限 空が完全な黄昏の色に染まる前に帰り着く。
     玄関に各々の新しいコートの入ったショップバッグを置き、洗面所で手を洗う。
     一緒にキッチンへ入って、無限は買ってきた茶菓子を手にミネラルウォーターをピックアップし、リビングで電気ポットに注してスイッチを入れる。その間に、小黒が茶の道具一式と小皿を支度してきてくれた。
    「ありがとう」
    「うん。無限にしたよ、お茶」
     東方美人(オリエンタルビューティー)。蜜の香りと色を持つ茶を、小黒は時折冗談で「無限」と呼ぶ。
    「古臭いっていつも言ってるだろ、その冗談」
    「冗談じゃないし、全然本気」
     ローテーブルへ茶道具と皿を置きながら、無限の開けているケーキの箱の中を覗き込んできた。小黒が評判を聞きてきた新規開店のパティスリーのスペシャリティ、タルト・オ・フィグとピスターシュフランボワーズが収まっている。
    「いいね、やっぱ美味そう」
    「あまり家に居ないのに耳が早いな。私も知らなかったのにどこで聞きつけた」
    「役に立つでしょ」
    「役に立たなくてもいいよ」
     ローソファに並んで腰を落とし、小黒が金属でサイドテーブルをソファの正面へ移動させた。無限が茶を淹れ、小黒がケーキを皿へ移す。クッションにゆったりと背を預け、寛ぐ姿勢で東方美人の馥しい茶杯を手に取った。
    「どっちにする?」
    「どっちでも」
    「じゃあお前にフランボワーズやる。ベリーみたいで可愛いからな」
    「はあ? 僕の科白だけど、それ」
     軽口でそれぞれに皿を取り、味を見た次の一口は相手の口へ運んだ。フランジパーヌのアーモンドとカスタードの芳醇な味わいに無花果の柔らかな甘みと香りが調和したタルト・オ・フィグ、ピスタチオのまろやかなコクのある風味にフランボワーズの爽やかな甘酸っぱさがアクセントになっているピスターシュフランボワーズ、いずれも平均点以上の味だ。
    「美味いな」
    「美味いね」
    「今度は他のも試そう」
    「うん」
    「そういえば偉いんだな、小黒」
    「うん?」
     ケーキを口に運びながら、何気ない口調で街で出会った小黒の仲間の話題を振った。紫羅蘭以外に、無限が初めて見る妖精たちだ。二人とも見かけ通りの年齢ではないだろうが、恐らく小黒が一番年下だろう。敬称での呼びかけと慇懃な態度を思い出す。
    「小黒大人って呼ばれてたろ」
    「へ? ああ」
     何を言われているかを理解して、小黒が苦笑した。
    「冠萱さんと逸風? なんだ、なにも言わなかったから気にしてないと思ってた」
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    badger_0107

    DOODLE■書きかけみたいな、出会い編中編みたいな
    ■設定ふんわり
    ■小黒がそれなりの年齢で師父と出会って、反発から始まる話が見たいな~からスタートしたパラレル
    ■名前とセリフのあるモブが出ます
    没落貴族の小黒が大貴族の無限に買われる話(2) 言われていたとおり、迎えの者が羅家へやってきたのは昼前です。紫羅蘭と共に、鄭家の屋敷へ連れて行かれました。大門の内で執事に迎えられた小黒はそのまま外院に留め置かれ、紫羅蘭は召使い頭らしき年配の女性に奥向きへ伴われていきます。
    「お泊まりいただく房間(おへや)です」
     案内された房間には数人の召使いが控え、何着もの華やかな絹の衣装が並べられていました。
    「お見合いのためのお衣装合わせです」
    「衣装合わせ?」
    「羅小黒さまはそのまま立っていていただければよろしい」
     そう告げられると、召し使いたちに取り囲まれてみすぼらしい単衣を脱がされます。
    「えっ、あ」
     驚いている間に手際よく衣装の一揃いを着せられ、執事に上から下まで吟味され、また脱がされて着せられて、何回もそれを繰り返して、小黒に一等似合う衣装が慎重に選び出されました。合わせて、柔らかな革の長鞋や絹の組紐の佩玉も見立てられます。まるで人形にでもなった気分で、体力には自信がありますが、どうにも勝手が違いすぎて疲労困憊してしまい、召使いたちが引き取った後は暖かな炕牀(暖房付きベッド)にぐったりと懐いていました。
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