新生活とあまのじゃく外の除霊案件を芹沢に任せて、霊幻は常連客の除霊を受け持った。予約スケジュール分を終わらせた頃に茂夫は霊とか相談所に訪れていた。
「一人暮らし始めたんだな」
「はい、師匠に教えてもらった一人暮らしに必要な家電や家具、通いやすい条件に合う物件から選びました」
霊幻が一人暮らしに必要な項目を最新でかき集めたプリントは、茂夫が同学年で一人暮らし希望する友達と共有したり、情報交換したりと大いに役立っていた。
「モブが新生活か、もうそんな歳になんだな」
「そうですよ。これが住所です」
茂夫の手書きメモに記載された住所は霊幻が選んだ物件の一つだと記憶していた。
「時の流れってのは早いもんだな」
「早いのかどうかはわからないですけど、合鍵受け取って下さいよ」
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