四年。四年もあれば、大抵のことはできる。子供は成長するし、大人も歳を重ねる。年月は無慈悲なほどに平等にすぎる。齢ニ歳にして、羽風薫が学んだことであった。
この間までひまわり組にいた大好きなお兄ちゃん、といっても血が繋がっているわけではなく、単純に自分に良くしてくれているというだけだが、そんなお兄ちゃんはずっとひまわり組にいるわけじゃないらしい。薫は今年幼稚園に入ったばかりであるから知らなかったのだが、薫がひまわり組になる頃には、お兄ちゃんは小学校というところへ行ってしまうそうな。それを知った時、薫は先生が困り果てる程に大泣きした。
「やぁ、やだあ、れーくん、しょがっこ、行かない!薫とひまわり組するの!」
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