「なンでだよォォォォ」
所属する騎空団、グランサイファーの航路とは違う島に行くために団を離れていた俺が、夏のバカンスに停泊しているアウギュステに着いてしばらく。
連日働きづめのエルモートに相手にされないまま溜まったストレスと不満がついに爆発した。
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騎空団に戻ったその日。
団長の言葉を完全に真に受けたわけではないが少しは浮かれた心で団に戻ってみると、アウギュステに着いてまず会ったツバサに「先公なら海の店のヌシみたいンなってるぜ」と言われ、そのとおりだった。
すでに店にいるエルモートに会いに海の店へ出向き、感動の再会で熱い抱擁とまではいかなくても、それに準ずるものを期待していた俺にエルモートは、表情もひとつ変えずに「なんだ、戻ったンか」という一言だった。
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